高華の妖 (ページ32)

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即位1 ページ32

高華国紅い龍の城
　
いつかこの城に帰るのだと心に誓っていた

ヨナ「スウォン！スウォン！いらっしゃい！早く来て！今日はね！梨の甘煮があるの！」

ハク「隙あり」

ハクは大刀の持ち手でスウォンを叩く

スウォン「痛！ハク…」

ハク「トロいですよスウォン様そんなんじゃあの爺にお怒られますよ」

A「私よりトロい奴が何を言ってるんだか…ねぇ？スウォン様」

ハク「あ？何だとA」

スウォン「アハハでもムンドク師匠には筋がいいと随分褒められたものです」

ハク「へ〜稽古で俺に勝った事ありましたっけ〜？」

スウォン「ハクはヨナ姫を守らなくてはならないから強くて当然です！」

A「あれあれ〜でもハクさん私相手だとだいぶ苦しそうな顔をしますよね〜〜？」

ハク「てめぇは女の割に強すぎなんだよ」

スウォン「でも本当に羨ましいですヨナはハクが従者で」

ハク「スウォンにはAが居るじゃないですか」

A「え…スウォン様私は不満ですか！？」

スウォン「そんなとこないですよ！でも…私はハクも欲しいのです！欲をいえばAもハクもほしいのです！」

プ〜ッと顔をするスウォン

ハク「じゃあ王になってくださいよ」

スウォン「え？」

ハク「ヨナ姫と婚姻を結んで王になってくださいよ」

スウォン「えっええ！？そんな…私がヨナと結婚なんて！」

ハク「俺が欲しいんでしょ？」

スウォン「いや…それは言葉の綾で…」

A「そうですよ！スウォン様こんなクソ雷獣
いらないです私がいますから」

ハク「誰がクソ雷獣だクソ幻妖」

ワーワーAとハクが言い合っていると

スウォン「あ……ずっとこのままがいいです…」

二人の肩にスウォン様の顔が当たる

A「えっえスウォン様？どどうしました？？」

ハク「あ………」

ヨナ「スウォン！早く！！」

スウォン「ハク、ヨナを守ってくださいね」

A「私がスウォン様を守りますから！」

きっと私が王になる時ハクもヨナもAも

私の傍にはいない

暖かいこんな日は少し迷う

でももう右腕はいない

温もりもくれた少女も

私を慕いここまで付いて来てくれた従者も

踏みつけて斬り捨ててここまできた

だからもう…迷いはしない！