出逢い ページ3
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「あ、A!」
「…はい?」
「これ、お願いできるか?」
「え、でもこれ会長さんが…」
「会長さんいないみたいでさ、頼めるの副会長のお前しかいないんだよ、、」
放課後、仕事(掃除)が全て終わり、教室を後にしようとした時だった。
いきなり後ろからヤマモト先生の声が聞こえて振り返れば、仕事をお願いしたいという頼み事で。
しかもそれは会長さんがやるべき仕事だった。
(そういえば会長さん、今日バイトがあるとか言ってたっけ…)
「……わかりました。」と渋々受ければ、「ありがとな!」と一気に先生の顔が明るくなる。
その後「今日中に頼むな!」と言って去ってしまった。
今日中って………
「私も今日、バイトなんですけど」
ーーー
ーー
ー
仕方なく、バイトには用事が出来て行けなくなったと伝える。
多分早く終わったとしても、着くのはシフトが終わる時間になるだろうから…
当然「今回は見逃してあげるけど、次からはちゃんと前もって言ってね」と注意されてしまって、少し落ち込んでしまった。
電話越しなのにペコペコとお辞儀してしまう私は、周りからしたら滑稽で律儀な人だな、とでも思われるのだろう。
「……よし!絶対今日中に終わらせてやる!!」
頼まれたら断れないこの私の性格が招いたタネだ。仕方がない。やってやる。
私は鞄を肩にかけると、仕事だと渡されたプリントの山を抱えて階段を降りていった。
プリントの山が崩れないようにと1段1段ゆっくり、慎重に降りていく。
こういう動作は嫌でも神経をかなり使うわけで。
すべて降り終わった時にはもうヘトヘトになっていた。
「…あれ?副会長さん?」
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作者名:れな | 作成日時:2019年3月14日 7時