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「ね!立ち話もなんだし、ちょっと寄り道してかない?」

「………うん、いいよ」




話す気満々なんだとこの一言ですぐにわかった。

こういう時はやたらに断ったりしない方がいいと、私はもう既に何年も前に学んでいる。


2人で夜の住宅街を並んで歩く。

フウカが話題を振りかけてくるから、私たちの間に気まずい空気は流れなかった。


中学の頃のこと、まだ怒ってるのかな……


嫌な思考が頭の中を巡り続ける。

疲れているせいか、ろくに思考回路が上手く回らない。


そんな私を他所に、フウカは公園に入って近くのベンチに座った。

私も同じようにして隣に座る。




「……あのさ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いい?」

「……………なに?」




突然声色と雰囲気と表情が変わってドキリとしつつ、少しだけ時間がかかりながらもなんとか答えた。

きたか…と咄嗟に思う。




「松野く……あの六つ子達のこと、覚えてる?」

「……うん」




覚えてる、というか、高校全く同じだから毎日のように会ってます。なんてことは言わない。

だって___________




「……A、今彼らと、“彼”と、会ってるよね」

「っ………」

「………やっぱり、そうなんだね」

「…………」

「約束、もう忘れた……?」




忘れてない。

忘れるわけがない。

だって、あんな縛りのような約束、忘れろって言う方が無理がある…。




「……私、まだ許してないよ、」

「…………」

「………諦めてもいないよ」

「……………」




「忘れる、なんてこと出来るわけない……」と最後に強く彼女は言い放った。



どんなに謝っても、どんなに許しを扱いても、

私が犯した誤ちは、絶対に許されない。


そんなの、ずっと前から、あの日、あの時、あの瞬間から、わかりきっていたことだった。


彼女の方が、何倍も、何十倍も、

辛い思いをしたのだから。




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設定タグ:おそ松さん , 松野おそ松   
作品ジャンル:恋愛
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れな(プロフ) - しっぽうさぎさん» 素敵な感想ありがとうございます!とっても嬉しいお言葉ばかりで…書き手冥利に尽きます´ `* これからもまったり更新ですが最後までよろしくお願いします!高校時代はまだ公式さんから何も言われてなかったので、自由に想像しながら書けてたんですけど…焦ってます;; (2019年2月16日 9時) (レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
しっぽうさぎ - 読み始めた瞬間『あ、この作品好きだ。』と感じました。久々の感覚と、久々に好みな作品を見つけられて最高に嬉しいです。関係無い話ですが、私も前におそ松さんの学生ストーリーの作品を作って、あら公式と違うわとなりました。…共感です。笑 (2019年2月14日 18時) (レス) id: dc9d359d93 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 来夢*゚さん» 初めまして。素敵な感想ありがとうございます!キュンとくる内容になってるか微妙だったのでそう言って貰えてとても安心してます。のんびり更新な感じではありますがどうぞ最後までお付き合いよろしくお願いします ^ ^ (2018年5月6日 6時) (レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - 初めまして。学生特有の甘酸っぱい恋物語に当方毎回楽しみにしながらキュンキュンさせてもらってます(〃ω〃) これからも頑張ってくださいね。応援してます! (2018年5月5日 16時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
万珠沙華(プロフ) - レスありがとうございます!! (2018年4月22日 20時) (レス) id: a8300dcf2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れな | 作成日時:2018年4月19日 19時

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