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「はぁ…相変わらずだなぁ、」
いくら叩いても、揺らしても起きない彼にだんだんと呆れてくる。
ここまでして学校で寝たいものなのか、
それとも夜中全然眠れなかったのか、
はたまた寝る時間が遅かったのか、
どれもこの人には当てはまりそうで、馬鹿だなぁなんて心の中で笑った。
それでもこの人が起きないと私も帰れないし、私まで先生に怒られてしまうから。
仕方ない、と諦めずに起こし続ける。
前の授業が6時限目ってことも彼が寝る理由に入るのかもな。
「んー……」
「……あ、やっと起きた」
「ぁれ、Aちゃんじゃん…おはよぉ、、」
「うん、おはよ、」
ぱちくりと瞼を何回か閉じると、彼は目を擦りながらゆっくりと体を起き上がらせた。
大きな欠伸をしながら伸びをして、キョロキョロと辺りを見渡す彼の姿は少し可愛い。
「あれ、皆は?」
「もうとっくのとうに帰ったよ」
「うそぉ…俺そんなに寝てたわけ?」
「うん、そりゃぐっすりとね」
「はぁ、またAちゃんに起こして貰っちゃったのかぁ…」
「わりぃ、ありがとな」と眉を少しだけ八の字にさせながら笑って言った彼は、やっぱり可愛いじゃなくてカッコよかった。
「いいよ、もう慣れたし」そう優しく私も笑いかけながら言うと、よいしょと立ち上がる。
「そう言えば、6時限目の先生が職員室来いって言ってたよ」
「あー確か歴史の…ムライ先生、だっけ」
「先生の名前、微妙に覚えられてないよね?」
「あはは、バレた?」
もう夏休みもあと少しというこの時期になっても覚えられてないなんて、ほんと相変わらずだなぁ。
「いい加減覚えなきゃダメだよ〜」と言いながら私は荷物を纏めてそのまま肩にかけた。
「もう帰るの?」
「うん、今日はこの後用事あるしね」
「…そっか、じゃあ俺も帰ろっかな〜」
そこですかさず「ダメだよ、ちゃんと職員室に行ってから帰ってね」と喝を入れれば「うへぇ、Aちゃん辛辣ぅ〜」と声が飛んできた。
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れな(プロフ) - しっぽうさぎさん» 素敵な感想ありがとうございます!とっても嬉しいお言葉ばかりで…書き手冥利に尽きます´ `* これからもまったり更新ですが最後までよろしくお願いします!高校時代はまだ公式さんから何も言われてなかったので、自由に想像しながら書けてたんですけど…焦ってます;; (2019年2月16日 9時) (レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
しっぽうさぎ - 読み始めた瞬間『あ、この作品好きだ。』と感じました。久々の感覚と、久々に好みな作品を見つけられて最高に嬉しいです。関係無い話ですが、私も前におそ松さんの学生ストーリーの作品を作って、あら公式と違うわとなりました。…共感です。笑 (2019年2月14日 18時) (レス) id: dc9d359d93 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 来夢*゚さん» 初めまして。素敵な感想ありがとうございます!キュンとくる内容になってるか微妙だったのでそう言って貰えてとても安心してます。のんびり更新な感じではありますがどうぞ最後までお付き合いよろしくお願いします ^ ^ (2018年5月6日 6時) (レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - 初めまして。学生特有の甘酸っぱい恋物語に当方毎回楽しみにしながらキュンキュンさせてもらってます(〃ω〃) これからも頑張ってくださいね。応援してます! (2018年5月5日 16時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
万珠沙華(プロフ) - レスありがとうございます!! (2018年4月22日 20時) (レス) id: a8300dcf2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れな | 作成日時:2018年4月19日 19時