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心臓が、痛んだ
俺はその封筒を破り、中から紙を取り出す
−最近任務で一緒にならないね。君がどうかは知らないけれど、私は寂しいよ。次はいつ一緒になれるだろうか…君と一緒だと気が楽だ。どうか、お身体にお気を付けて
−最近行った町で君の好きそうな味の天丼がある食事処を見つけたよ。今度非番の時にでも一緒にどうかな。行かないと言っても、無理にでも連れ出すけどね。それじゃあ、最近は流行病が酷いようだから、つまらない死に方はしないようにね
−知ってるかい?お上の方がどうやら何か仕出かしたらしい。前々から君がいけ好かないと零していた男性さ、人の死を喜ぶのも不躾な話だけれど、君にとっては良かったね。嬉しいからと言って気を抜いて死なないようにするんだよ
−此の前は妙な事を聞いてしまったね…君は素直に答えてくれた様だけど、あの時気恥しさからか私は嘘をついてしまった、申し訳ない。言葉にするのは如何にも向かないから、こうして文にする事にするよ。私はね、君の為に、君の大切なものの為に死ねるなら、本望さ。それが例え、どんな死に方だとしてもね。うん、こうして文にしても恥ずかしい…取り敢えず、死なないようにね
−あぁ、今日聞いた時は驚いたよ。忍をやめ、お嫁さんを三人とり、鬼殺隊に入るなんて…矢張り君は変わった人だ。だけれど私は反対はしない。人を殺める事に、無意味に命に手を掛ける事に罪悪感を覚える君には、きっとこんな仕事は向いていない。君は、本当の正義の為に刀を振るうべきだ。そして、それは君がずっと望んで来た事だろう。大丈夫、私は応援しているよ。
−寂しいものだね、こうも簡単に君がいなくなってしまうと、調子が狂うよ。だけれど君がこれから鬼殺隊で頑張る事を考えれば、私も負けてられないね。まだまだ若いつもりだ、お互い切磋琢磨で行こうじゃないか。今度会った時には、君の武勇伝でも聞かせておくれ
−すまない、すまない、天元。君に、あんな事伝えるべきじゃなかった。どうか、忘れておくれ。そうだ、此の前君を知る忍の子が君の話をしてくれたよ。風の噂で聞いたらしいけれど、大分出世しているらしいじゃないか。君の幼馴染みとして鼻が高いよ。でも、身体には気を付けてね。応援しているよ
一通一通、目を通す
頭が可笑しくなりそうだ
どうなってるんだ之は
俺は、最後の一枚…封筒に入っていない便箋を、手に取った
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千聖(プロフ) - 目から鼻水?が出てきてやばいです (2月26日 1時) (レス) @page14 id: 1899f7b5ef (このIDを非表示/違反報告)
美園 - 感動しました。涙めちゃででやばいぐらいでした。ありがとうございます。 (2022年8月13日 16時) (レス) @page14 id: d0751a4b5d (このIDを非表示/違反報告)
櫂 - 泣きました、ありがとうございました。 (2022年1月23日 19時) (レス) @page14 id: aef1afb3d8 (このIDを非表示/違反報告)
はく(プロフ) - 天元さん、、やっぱ嫁の人数増やそう、、?ちょっと目から汁が、、、アアアッ (2021年11月20日 2時) (レス) @page14 id: 480d828c8e (このIDを非表示/違反報告)
れな - めちゃくちゃ感動しました。涙が溢れてもうやばかったです (2020年12月29日 20時) (レス) id: 75a44e24da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:C吉 | 作成日時:2019年9月24日 0時