自由系女子は止まらない

《三角関係》4 ページ40

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かれこれ同じ体勢のまま5分。



「あの、そろそろ重い…っ痛！えっ、ちょ…え？今かっ…噛んだ？噛んだよね？人の肩かりといて噛むとかありえなっ…痛、い…や、こしょばっ…ふふっ、あはは！ちょっと待って！ギブギブ！」


照れ隠しなのだろうか、愛情表現なのだろうか

ガブガブと彼女の首を噛んで離れようとしない虹村。



「よし、満足した」


「いや、なんの！？新しい嫌がらせ？馬鹿なの？」



タオルで首を拭きながら虹村から離れようとする彼女を逃がすまいと手を握る。


1度だけ強く噛んだ時の歯形が彼女の白い首にはクッキリと残っていることに虹村は満足したらしく、嬉しそうに笑う。



「変態だよね。後輩の首に歯形つけるとかどんな変態だよ。馬鹿だよね」


「可愛い可愛い後輩のお前にだけの特別サービスだろ」


「全く嬉しくないんだけど。ザッキーにしてあげなよ」


「気持ち悪いこと言うな。気持ち悪い」


「２回言うなよ。ザッキー可哀想」




虹村の気持ちに気づいているのかいないのかは不明だが
いつも通りの彼女に虹村もいつも通り接する。



彼女への恋心を自覚したところで、虹村には大きな問題があった。



「なぁ…橙乃、赤司とは付き合ってんのか」


虹村としては大真面目に聞いているのだが
彼女は『またか』とでも言うように大きな溜息をつく。


「そんなんじゃないよ。男女が一緒にいるとみんなそう言うよね」


首を横に振りながら否定した彼女に虹村はホッとしつつも
ならば赤司と真っ向勝負になるな、と少し憂鬱にもなった。



「言われすぎて最近いっそ付き合っちゃった方が楽なんじゃないかとか思えてきちゃったもんね」


「…だったら俺と付き合っとくか」


冗談ぽく、軽く言ってはみたが内心気が気ではなかった。
ここで即否定されればかなり傷つく。



彼女は少しだけ驚いたように虹村を見た後、フッと笑って


「それも良いかも。ま、私を征君から奪えるんならの話だけどね〜」


ケラケラと笑いながら数回軽く頷く。



「お前、ちょっとモテるからって調子乗ってんなコノヤロウ」


「野郎じゃないもんねーっだ」


立ち上がって保健室から出ていこうとする彼女を呼び止めようとしてみたところで


「あっ、そうだ」


彼女が振り返って、人差し指を唇にあてて笑う。


「シュークリーム先輩の歯形だって征君には内緒だよ。
説明面倒だから」


「あぁ、多分な」


「(俺も渡すつもりねぇよ、赤司)」




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Fin(仮)


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