【轟焦凍】俺の幼馴染が可愛くなっていく2

可愛い女の子 ページ8

『……なんで、教えてくれなかったの……？』


クソ女は静かに泣き始めた。


「…」

『私、1番英子ちゃんに会うのが楽しみだった、』

「…」

『楽しみにして浮かれてる私がバカじゃん』

「…あいつが言ったんだ」

『…あいつって、英子ちゃんのこと？




教えて…教えてっ、何を英子ちゃんから聞いたの？』


「…ギャル女の母親から直接聞け

俺から言うことじゃねぇ」


静かに泣いていた女が、歯を食いしばった。そして



『…っ…ひっ、……』


少しずつ声を出し、泣き始めた


親友であった女の墓石を涙のついた手でAは撫でた



『っ……一緒に、いられなぐで、



ごめんねっ……痛がっだ、よねぇ…』



ヒーローという仕事は、敵を倒して完結、という話ばかりではない。ヒーローは、目の前で人の死を目の当たりにすることがある。


俺もヒーローになって痛いくらいに実感した。命は、脆い。ましてや、個性を上手く使いこなせない一般人にとっては、敵の1発で命を落とすことだってある。



鳩麦英子は、たまたま外出中に、名の知れないヴィランに首を掻っ切られた。犠牲者は鳩麦英子だけだった。それ以外にはなんの危害もなく、駆けつけた無名に近いヒーローに捕まえられた。



あの事件が、ニュースになることは無かった。



だから、Aも知らなかったのだろう。






『うぅっ、ひっ、……っ…』





目の前にいるこいつも、きっと脆いのだろう。細い腕を掴んで、少し力を入れれば、壊れそうだ。




だんだんと大きくなる泣き声



俺は、落ち着くまでそれを黙って見るしかなかった。

可愛い女の子→←可愛い女の子

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す