飲み会 ページ29
次の週だった。飲み会に誘われた。
四課全員で集まる会らしい。
おそらくゲロチュー辺りの話だろうな。
めんどくさい事になりそうだったから
私は開始時間よりだいぶ遅れて家を出た。
虫鹿『遅刻するなんて、お前も不良になったなぁ。』
貴「いいんですよ、姫野先輩どうせゲロ吐いてるんで。」
疲れた時は決まって先輩の声が聞こえる。
腕を見れば先輩のブレスレットが微かな街灯の光に照らされて黒く反射して見えた。私はこれから起こる辛い事も、苦しい事も全部一人で頑張らなくちゃいけない。
それが、何より私の胸を締め付ける。
『A、最近独り言が増えたね。』
貴「……気のせいですよ。」
静寂の中、私は一人歩き始めた。
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No side
「気をつけろよ、姫野は酔うとキス魔になるからな。」
「今はAちゃんいないからねー。」
「Aさんと新人さん以外は全員キスされてますから。」
お酒を飲んだ大人がそんな事を話した。
デンジはメニューを手に持ちながらそんな話を聞いていた。キス魔の先輩にキスされてない先輩。のちのち彼は彼女のすごさを知る事になる。この先輩から逃げ、完璧に避ける彼女の偉大さを。
当のデンジはAと呼ばれた人が誰かすらわかっていなかった。
デンジ「Aさんってあの金髪の人？日本人？」
「前のバディとお揃いなんだとよ。」
「虫鹿さんも死んじゃったからな。」
デンジが誰それ……と言うとみんなは口を揃えて言った。"クズだけど優しい人だった"と。虫鹿の過去は四課の中では有名な話だった。怜奈を、バディを誰より愛していた。何年も何年も彼女の為にデビルハンターを続けてきていた事を。
そんな彼がAを庇って死んだ事も、全員が知っていた。
「二人はすごく仲良かったから。」
「多分付き合ってたんじゃないかな。」
俺もマキマさんとそんな風になんのかな。デンジは一人、虫鹿という人を懐かしそうに話す人達を見ながらそんなことを考えていた。
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居酒屋の前に立った時、ブレスレットが冷たく感じた。
私はこの向こうにいるマキマさんに少し緊張しながらも扉を開けた。
扉を開けた先にいたのはマキマさんと倒れた早川先輩。おそらく原作通りに飲みの勝負で負けたんだろう。
貴「遅れてすいません、マキマさん。」
マキマ「私も来たとこだよ、Aちゃんも飲む？」
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楸(プロフ) - ひなたさん» 分析能力が高すぎなコメントありがとうございます！そう言っていただけると本当に嬉しいです。この作品は少し難しく執筆が難航していたので語彙力豊富な感想でとても励みになりました。これからも頑張ります！！ (2023年3月30日 11時) (
レス) id: 22f489ff48 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - すごい…語彙力がなくなるぐらい凄かったです…。綺麗でとても難しい感情もあるのに全体的なまとまりがあって、かつ、主人公ちゃんの物語を上手くはめ込んでいて、読んで行きながらパズルが完成していくかのような満足感が半端なかったです…。めっちゃ応援してます！！ (2023年3月29日 2時) (レス) @page35 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - ？？？さん» すいません、涙かっさらってしまいました。涙は罪の悪魔が美味しく食べましたのでご安心を。これからもひっそりと更新頑張ります。 (2023年3月15日 0時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - ハルヒさん» もうほんとかっこいいですよね、これからも更新頑張ります。応援ありがとうございます！ (2023年3月15日 0時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - 海獣さん» かなりわかりみ深いです。自分でも書いていて、えぇめっちゃ好ことか思ってます。見てくれてありがとうございます、更新頑張ります！ (2023年3月15日 0時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作成日時：2022年12月8日 16時
