NO.7 文化祭準備 ページ19
ちょうどその日の夜だった。
下の階が妙に騒がしく、気になって下に降りた。
そこには
何故だか分からない疎外感に襲われた。
私は未だA組に馴染めてないと実感した。
轟「A、起こしたか。」
貴「いや、ずっと起きてた。」
轟「……個性はあんま使わない方がいいと思う。」
貴「百聞は一見にしかず、でしょ？」
私は轟君の記憶から現在のこの盛り上がりようを把握した。
なるほど。あそこにいる遠距離タイプの個性の子が歌が上手で、今その子中心にバンドメンバーを決めてるような状況ってことか。私は楽器とかできないからな。
貴「てか、なんで包帯巻いてくれてるの？」
轟「爪剥がれたままは痛いだろ。」
貴「そうだけど……」
背中が丸々剥がれているので正直そっちの方が痛い。しかも一人で薬塗れないから誰かに手伝ってもらわないといけない。本当に厄介な個性だな。
そんな事を考えてると緑谷くんが話しかけてきた。
緑谷「Aさんは何か楽器とかできる？」
貴「……あー、その前にみんなに私の個性の説明する。」
私はとりあえずみんなの注目になるように大きく手を叩いた。それだけでは物足りないので空気にアクセスして私の周りだけ密度を高くして音がより振動するように変えてみた。
私のイメージは上手く機能して空間には大きな拍手が響いた。
貴「改めてまして、A組に転校してきました。AAです。私の個性は"アクセス"。文字通り何にでもアクセスできる個性。それは物体、空間、人体、機械、など無機物有機物などの"制限はない"。その代わり個性を使う度"要素"、つまり対価が必要。爪とか血液とか皮膚を使う場合が多いかな。」
緑谷「……すごい個性…、てことはあの時の試合で個性が使えなくなったのは僕たちの"個性"にアクセスしたからってこと？」
私は一言「正解」と言った。
何故自分の個性について話したかは後々わかってくるとして、私が今ここで話すことのメリットは大きいと言えるだろう。裏切り者を通して私の元に
私が誰より先に玉将を取る。必ず最短で詰んでやるよ。
貴「だから私は背景の映像とかの"演出"に回りたいな。それなら私の個性で演出の幅が広がると思うんだけど、どうかな？」
緑谷「た、確かに。」
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作者名：楸 | 作成日時：2022年11月27日 0時
