雨が286粒。 ページ35
数分程皆と話して居ると、姐さんが戻って来た。
後ろには其れなりの量の箱を持った黒服の人達が居た。
「姐さん?何か購ったんですか?」
「其処の童等に早めのバレンタインチョコをな。」
黒服の人達、部下達は皆に一つずつ持っていた箱を渡した。
「名前からと思って貰って構わん。名前、善かったのう。作る手間が省けて。」
「は、はい。」
私もだが、皆も困惑していた。無理も無いだろう。
戸惑い乍らも皆は先程の私の様に姐さんに御礼を告げた。
「もう用は無いであろう。名前や、帰るぞ。」
姐さんは微笑み、手を差し出した。私は自身の手を其の手に重ねた。
「帰ったら一緒にチョコを作ろうぞ。誰にあげるのじゃ?」
「
「全員作れるのかえ?」
「全員は無理でしょうから、市販の物に成っちゃいます。申し訳無いんですが。」
「そうかえ。詳しい事は帰ってから聞くからのう。」
帰ると云うので皆に、さよなら、でも云おうとしたが、姐さんは赦してくれなかった。
何も云えない侭、私は姐さんと共に車に乗り込んだ。
「長居する必要は無いんじゃ。居れば名前が穢れてしまうわい。」
「はい。」
繋がれた手を握り、頬を撫で、姐さんが云う。
少し、怖い。私の為を思っての言葉だと判っているのだが。
「名前や、私は名前が愛おしいだけなのじゃよ。」
「判ってます。」
「名前が、……名前が、鏡花の様に離れて行くのではないかと不安なんじゃ。」
「大丈夫です。私はポートマフィアから離れません。ずっと居ます。」
「名前…」
姐さんは哀しそうに、だけど嬉しそうに、私を抱き締めた。
姐さんも私と一緒。怖い。唯、其れ丈。
「見っとも無い処を見せてしもうたのう。」
「善いんですよ。少し位、頼って下さい。大した事出来ないかもしれないですけど…」
「其の気持ちだけで充分じゃ。有り難うな、名前。」
姐さんの言葉が嬉しくて、でも少し照れ臭くて、照笑を浮かべた。
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バンビ(プロフ) - ぬうさん» いえいえ! (2017年4月5日 17時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - ありがとうございます! (2017年4月5日 16時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ぬうさん» 矢印を押してからアルファベットを打ったら出来ると思います! (2017年4月5日 14時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - あの、パスワード認証の大文字の打ち方がわかりません。どうするんですか? (2017年4月5日 14時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - アオアオさん» コメントありがとうございます!!祝いの言葉まで!次も頑張って書きます! (2017年2月15日 21時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2017年1月31日 21時