雨が283粒。 ページ22
丁度一時間が経過した。
私は眠る中也さんを起こさず、髪を撫でていた。
窓から射し込む日光が眩しい。空は綺麗に晴れて居るのに、私の心は晴れて居なかった。
「如何してだろう。」
最近、私は前以上に冷めて来ていると思う。
例えば、赤羽君の事。
彼への気持ちを棄てられなくて辛い等と思って居たのに、中也さんに棄てると云ってから簡単に棄てられた。
「私冷め過ぎてるのかな?否でも、元々彼方が悪い訳だし…」
私が冷めて来て居るのは、赤羽君の事だけじゃない。仕事でもそうだ。
最近、人を殺すのも躊躇い無く出来る様に成った。
「慣れの問題なのかな?」
「ンだよ、名前……又独り言か?」
目を擦り乍ら中也さんが起きた。否、私が起こしてしまったのだろう。気持ち善さそうに寝ていたから起こさないでおこうと思ったのに。
「御免なさい、中也さん。起こしちゃって。」
「否、気にすンな。つか、起こしてくれて善かったンだぞ?」
「気持ち善さそうに寝てたんで。」
「変に気遣わせて悪ィな。」
「いえいえ、お気になさらずに。」
何か、こんな会話前にもした気がするな。あの頃は未だ這入りたてで、中也さんとも付き合ってなかった。
あの頃は思ってもみなかった。上司と付き合うなんて。
今と成っては凄く幸せだけど。
「なァ、名前。先刻何云ってたんだ?」
肩から落ちた私の髪を弄り乍ら問いた。
「嗚呼、赤羽君への気持ちを簡単に棄てられたなって。」
「棄てれたのか…?」
「はい、ばっちり。悩んでたのが嘘みたいに。だから、心配しないで下さいね。」
「…ン。名前、接吻してくんね?矢っ張一寸、不安っつーか…」
「勿論善いですよ。」
接吻しにくいから中也さんに上体を起こして貰い、接吻した。
接吻したからだろうか、急に甘えたく成った。
私は中也さんの首に腕を回した。
「如何した?」
「甘えたく成っちゃった。」
「可愛いな、おい。」
「中也さん好きー。」
「唐突。」
「中也さんは?」
「名前好きー。」
「私のパクった。」
「名前のだからパクリたく成った。」
「そういう事なら赦してやろう。」
「えらく上からだな。ほら、徐々仕事すンぞ。」
「了解。」
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バンビ(プロフ) - ぬうさん» いえいえ! (2017年4月5日 17時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - ありがとうございます! (2017年4月5日 16時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ぬうさん» 矢印を押してからアルファベットを打ったら出来ると思います! (2017年4月5日 14時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - あの、パスワード認証の大文字の打ち方がわかりません。どうするんですか? (2017年4月5日 14時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - アオアオさん» コメントありがとうございます!!祝いの言葉まで!次も頑張って書きます! (2017年2月15日 21時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2017年1月31日 21時