冬プロアイドル小説置き場 (ページ11)

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木島希望　１ページ11

わたしは阿蘇星(アソスター)の希望の星(スター)になる……！

おとなりさんはキラキラしたお姉さんだった。
「昔はね、この星を捨てちゃおうかと思っていたの」
「どうして？」
「どうしてだと思う？」
「……貧しいから？」
「半分正解」
ふふってちょっと笑うだけなのに、それでもとってもキラキラしていた。でもそれだけじゃなくて、どこかさびしい感じで、何でなんだろうって思って不思議だった。
「皆が捨てていたから、よ。貧しいから皆、捨てていた」
「うそだぁ。だってすてた人、一回も見たことないよ？」
「今は、ね。昔は皆捨てていたの。それを変えたのは、一人の女の子だった」
お姉さんはその女の子のお話をよくしてくれた。芸のうきん止だけど芸のう活動をしている「AKB0048」ってグループがあることも、そのお姉さんから聞いた。その女の子が、そのグループに所ぞくしていた、って。それでみんな自分たちの星が好きになった、って。
お姉さんはわたしも、キラキラになれるって言っていた。その女の子みたいにキラキラの、この星のスターになれるって。だからわたしは、年れい制げんにおいつく日をまだかな、ってずっとまっていた。
お姉さんが行方不明になったのは、あと二年で廃星になるっていう政ふ通達たつが来た二日後だった。