検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:5,975 hit

No.6 ページ8

.




承「あんたがスタンド使いだと言う事は分かった。
だが目的はなんだ。」


1番知りたかった事を未だ知れていなかったからか、

承太郎には少しだけ警戒心が残っていた。



しかしそんな様子の承太郎を気にもせずAは平然と
言って退けた。



『単純に好奇心です。周りにスタンドを使える人が居なかったもので色々と気になってしまって。』



自分に危害を加えようとした訳ではない事が漸く分かり

承太郎は初めて警戒を解いた。




Aはベンチからゆっくり立ち上がる。



『…でもまぁ、本人にバレたなら詮索はやめます。』


承「あぁ。そうしてくれ。」



承太郎もつられて立ち上がった。



『えぇ。ですが貴重なスタンド仲間。互いを認識出来て良かったです。』


承太郎の方を向き少しだけ微笑む。

その笑みは承太郎には寂しそうにも嬉しそうにも見えた。



確かに一理あるだろう。いざと言う時は
互いに助けになれるかもしれない、と承太郎は思った。



承「フン…そうだな。」


.



カバンを持ち公園を2人で出る。

公園を越えた先の曲がり角で方向が別らしくそこまで歩く。


不思議と居心地は良く、出逢い方は良いものでは
無かったものの、承太郎は何故か嫌な気は全くしなかった。


寧ろ何処か懐かしささえ感じた程だった。





『私の事、ちゃんと覚えて下さいね?…えぇと…』

承「…承太郎でいい。あんたは有名人だから忘れねぇよ。」

『はい、承太郎くん。…私は有名人だなんて大それた者じゃないですよ。』



あっという間に曲がり角に着く。


承「急に呼び止めて悪かったな。……、、。」



承太郎は彼女を何て呼べば良いか分からず口を閉ざす。

そんな様子を見てAはまた寂しそうに微笑んだ。



『…私の事はAと呼んで下さい。
ではまた明日。』


そういうと承太郎の返事など待たずに歩いて行ってしまった。


承「……あぁ。……じゃあなA。」


ぼうっとしていた承太郎は遅れて挨拶をしたがAの背中は、もうかなり遠くにあった。



聞こえていないであろう承太郎の挨拶は夕方の風に溶けて消えた。




5月下旬の事だった。

No.7→←No.5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

千夏 - 二人の距離感がすごく好きです。無理のない範囲での更新、楽しみに待ってます! (2022年5月18日 18時) (レス) @page17 id: 86c828af75 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽんで | 作成日時:2022年1月12日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。