自分がどうしたいか ページ8
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黒田坊side
A様の話を聞いていて気づいてしまった。
ある男の名前を出す時、少し想いを馳せるような表情をすることに。
五条悟。
その世界で最強だというその男。
強い力をもつA様と対等に…彼女の隣に立てる男。
一度その面を拝んでみたくなった。
「A様…
して、その男は…渋谷の件において、どうなったんですか?」
『…どうなった…?
…っ!』
すると、そのとき何かを思い出したように、彼女の表情が一気に強張った。
『…思い、出した』
「え…?」
『悟…封印されたの』
「「「「っ!!」」」」
『悟は最強…その彼が封印された…
どうしよう…彼を守れなかった。
彼が封印されたら絶対に死ぬ人間が増えるし、あの世界が終わってしまう…!』
震える声で彼女はそう言った。
「A様…」
そのとき、沈黙を貫いていたリクオ様が口を開いた。
−−−−−
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リクオside
姉貴の話を聞いていると、また姉貴が苦しむ世界に行ってしまったんだと思った。
姉貴はここでも苦しんでいて、俺らはそれにずっと気が付かなくて、最期の最期にそれがわかって。
その世界の奴らも同じなのだと思った。
「姉貴…」
『リクオ…?』
「姉貴はどうしたいんだ?」
『どうしたいって…?』
「今のここでは奴良組に逆らう奴なんかそういない。
肉体がなかったとしても、その世界のことをなかったことにして忘れて、ここにいればみんなと楽しく平和に過ごせる」
『っ!!』
俺はわかっていた。
責任感が強くて、心底優しい姉貴にはそんなことできない。
姉貴は顔を隠すように頭を抱えた。
『わたしは、あの世界のことをなかったことになんかできない…
苦しくても、死と隣り合わせでも、大事な人たちがいる。もう一度会いたい人たちがいる。
わたしが助けられるものなら助けたい…!
…でも、どうやって戻ればいいのか…』
「…とりあえず、姉貴が戻ってきたあの丘に行こう。なにか分かるかもしれない」
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マニ。(プロフ) - 怜。さん» ✉️。有難うございます!そちらのボードの方に返事送りました!ボード返事待ってます! (1月1日 20時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!嬉しいです!私でよければ! (1月1日 20時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 怜。さん» ✉️。こんにちは!とても面白いです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?お返事お待ちしています (1月1日 18時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - みちゃきさん» コメントありがとうございます😭嬉しいです! (12月11日 13時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
みちゃき(プロフ) - 番外編のお話楽しく読ませて頂きました。 (12月11日 8時) (レス) id: 11e4934a1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2023年11月3日 23時