いや、陰陽師の才能ないんで 4【ぬらりひょんの孫】

第183話〈壊れた〉 ページ38

最後だよリクオside




獺「落ち着けよぉ、嬢ちゃん。言っとくが捕まったのはそのAってやつがやらかしたからだぜー？」

ゆ「やら、かした…？」

玉「晴明の根城を見つけて、とりあえず帰ろうとしたら石に躓いて転んで、そのまま結界が張ってある根城へ入ってしまったらしいよ」




絶句しすぎて何も言わないゆらをいい事に「おっちょこちょいだよね、君の姉は」と笑う玉章。



………おい、玉章。そんな愛しいような顔で笑ってんじゃねぇ。

しかもおっちょこちょい、って言葉で済ませていいものでもねぇ。






しかし、



なにしろゆらにとっては大事な姉。



その姉が晴明に捕まったとなりゃあきっとこいつも動揺してるは「…………は？(怒)」




ドスの効いた声が響く。

その音は間違いなくゆらから発せられたもの。




リ「……ゆ、ゆら………？」




名前を呼ぶも返事はない。
俯いた顔を上げさせようと恐る恐る手を伸ばせば、






ゆ「……ふ、ふふ」

リ「………え」

ゆ「……あはははは、ふはははは！！あっはっはっ！！！！」

リ「やべぇ、ゆらが壊れた」

ゆ「なるほどなぁ。晴明の居場所を見つけて帰ろうとした時、石に躓いて結界の中に入ってしもうて出れんくなったっちゅー話やろ？あっはっはっはっはっは！！！！」






狂ったように高らかに笑い続けるゆらに俺はもちろん、獺祭や玉章、九州の妖怪達も驚きを隠せない。




ゆ「…………奴良くん」

リ「…な、なんだ」




笑い続ける姿から一転。
ゆらは冷静に俺の名を呼ぶ。



そして、






ゆ「……とりあえず、晴明の前にあのクソバカ姉から殺ろか(ニコォッ)」






……………逃げろA。


お前、まじで殺されるぞ………！！？

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