検索窓
今日:5 hit、昨日:12 hit、合計:84,543 hit

29話 ページ30

.

唐突な化物の出現…



しかも、命を脅かす化物の出現にも、誰1人として逃げようとはしなかった。



その存在を認識できてない訳じゃない…



ただ…圧倒的に経験が不足していたんだ。



今まで経験した事のない突拍子のない事態に、どう対処すべきか判断が下せないでいたんだ…



その事実は…この場においては致命的だった。



モノクマ「うぷぷ…そうそう、これこれ。
この絶望感満載のノリだよね!
やっぱ、見せしめはこうでなくっちゃね!
アーッハッハッハッハッハッハ!!」



興奮した高笑いを響かせるモノクマとは対照的に、私達はすっかり固まっていた。



呼吸をする事さえ忘れたように固まったまま…



…呆然と立ち尽くしていた。



私達は無力だった…
大量の水に溺れて流されるアリと同じだ。



モノクマ「さて、これでオマエラもわかってくれたと思うけど…
あのね、オマエラはボクに逆らえないんだよ。
無残な海の藻くずになりたくなかったら、ボクには決して逆らわない事だね!
言っとくけど…ボクには同情も憐れみもないよ。
だって、ボクはクマだからね。
南の島でテンション上がっちゃった…なんて言い訳は、一切適用しないんだからねっ!
それと、『コロシアイ修学旅行』を始めるにあたって、電子生徒手帳をアップデートしておいたからね。
そこに『コロシアイ修学旅行』のルールがあるので、後でじっくりと読んでおいてください。
ルールを知らなかったなんて言い訳が適用しないのは、どこの世界でもどこの会社でも一緒だよ。
ではでは…
開放的で過酷で凄惨な南国の島での修学旅行をどうぞ、お楽しみあれー!」



モノクマは一方的にそれだけ言い残して…



"モノケモノ"という化物達と共に、私達の前から去っていった…



今日一日の間でいろいろなことがあり、私は酷く疲れていた。



希望ヶ峰学園の入学式に出るはずだったのに気付いたら、ジャバウォック島らしき島に連れてこられていて…



初恋である幼馴染に忘れられていて…



この島から出るには誰かを殺して、学級裁判から逃げ延びらなければいけないって言われて…



何もかもが理不尽の連続で…



もう、ここがエピローグでも構わなかった。



それは…誰もが一緒…



この場の誰もが、疲れ切った顔を青く染めていた。

.

30話→←28話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
79人がお気に入り
設定タグ:スーダン , スーパーダンガンロンパ2 , 狛枝凪斗   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪猫 | 作成日時:2017年8月26日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。