実力派エリートと落ちこぼれ少女 (ページ3)

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第1話～近界民の少女～ページ3

A「へぇ～！ここが人間の住む世界なのかぁ!!」
　
見慣れない風景に、私は一人舞い上がっていた。
　
…ここが、あの人が住む世界…!
　
色んなものが珍しくて、舞い上がりすぎて、私は何かに思いっきりつまずいた。
　
A「えっ?ちょっ…ぶっ!!」
　
私はまさに無様に地面に打ちつけられた。
　
とは言え、自分のせいなのだが…。
　
顔を上げると、皆がこっちを見ていた。
　
なんか…注目されてるかな?私…
　
ちょっぴり人気者かな～とか思った後で、はっとなった。
　
A「いやいや、注目浴びちゃ駄目じゃん!!」
　
そう、私は近界民。…人類の敵。
　
もしも、ばれてしまったら…
　
私なんて、すぐに始末される…かな。
　
トリオン量なんて、もう…。
　
はぁ…。
　
もう何度死にかけたことか…。
　
え?そんなドジがなんでこんなとこに来たのかって?
　
勿論、理由はあるよ。
　
探してる人がいるんだ。
　
名前すら分からない、あの人を、探すの。
　
なんでかな。忘れられないんだ。
　
一度きりしか会ったことないのに、なぜか、会いたいんだ。
　
A「どうしてあの人は、人間なのに、見ず知らずの近界民を、助けてくれたのかな…。」
　
そればかりが気になった。
　
ずっと、心残りだった。
　
だから、直接聞いてやろうと思った。
　
きっとあの人は、私の事、覚えてないでしょうね。
　
まぁ、当たって砕けろだよ。あはは。
　
…ま、こんなきれい事並べてるけれど、最初はこの世界が怖くて、行く気はなくて、
　
…もう忘れようとか、思ってて…。
　
でも、あの日。
　
唯一の肉親の兄が戦争から帰ってこなくて。
　
1週間後位に、冷たくなって帰ってきて、
　
…寂しくて…
　
だからただ、きっとまた頼りたいんだ。
　
迷惑かな～なんて考えたのだが、気づいたのがなんと
　
今だったりする。あはははは。
　
でもだからってここまで来たからには引き下がれないから。
　
だから…
　
絶対に見つけてみせる。
　
ーあの人をー