仲直り ページ14
あれから私は夢ノ咲の講師として復帰した頃。
プロデュース科のあんずちゃんと顔合わせの為職員室に行った帰り、調べ物をしようと図書室に寄った時の話だ。
「ひゃっ?!」
持っていた本を運悪く落としてしまった。それまでは良かったのだが……
「ご、ごめんなさい!!!!怪我はない?!」
まさかこんな所に生徒が寝ていたなんて気づかなかった。
しかもよく見れば零くんの弟くんではないか。
「ぅう"……いたぁ〜い。誰?俺に本投げたの」
「ご、ごめんなさい、投げたわけじゃないのよ?」
「ん〜?」
朔間凛月くんは目を擦り私を眠たそうに見つめた後、少し驚いたかのような表情をしバサッと起き上がった。
「大丈夫?怪我してない……?」
「……全然平気、けどAのおかげで目が覚めちゃったからジュース買ってきてよ」
「えっ」
「シュワシュワのやつね」
「朔間くん、ここは飲食禁止なのよ?」
「え〜?俺に本投げたのにお礼もしてくれないの?」
「………………はぁ、わ、わかった……けど本棚の近くで飲んじゃダメよ、隠れて飲んでね」
今買ってくるから。とその場から離れ自動販売機に行きジュースを買って急ぎ足で朔間くんの元へと向かった。
「おお、結構早かったね……♪」
「朔間くん、先生使い荒いわよ?」
はい、どうぞ。とジュースを渡しバラバラになった本を拾い上げた。
「じゃあ、人に見つからないようにね朔間くん」
「ちょっと待ってよ」
服の裾を掴まれグイグイと引っ張られた。
「その朔間ってやめて」
「じゃあ、凛月くん?」
「ふふっ、な〜に?」
ひらひらと手を振り返事をしてくれた。
だがなんとも言えない気持ちになり言葉が詰まってしまう。
なんだこの子、凄く可愛い。
零くんこんな可愛い弟くんがいるなんて凄く羨ましい。
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作者名:X | 作成日時:2023年5月5日 21時