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｢零とは話せましたか？｣
軽音部を出たあとすぐ、後ろから声を掛けられ振り返れば渉くんがお久しぶりです♪と手を振ってきた。
｢渉くん、久しぶりね｣
｢フフフッ……貴方の日々樹渉です｣
渉くんは珍しく声を抑えニコリと笑いポンッとバラを1輪、はいどうぞと渡してくる。
｢ここだと零に聞かれるかもしれませんし、場所を移しましょう｣
｢私に何か用？｣
｢久しぶりに会ったんですしお話くらい良いでしょう？｣
さあほらほら！と背中を押されやってきたのはガーデンテラスだった。
｢……そういえば今日は紅茶部の日でしたっけ？｣
｢あれ？渉じゃないか、どうしたんだい？って……先生まで！｣
英智くんはどうしてここに？と嬉しそうに笑うと、後ろでウトウトしていた男の子が目を開けこちらを見た。
｢ん〜、騒がしいけどどうしたの〜？｣
｢…………？｣
この顔どこかで見た事あるような……
｢フフっ……♪実は私たちデートをしているんですよ｣
｢そうなのかい？僕も混ぜて欲しいくらいだよ｣
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｢ねぇ、渉くん。さっきいた黒髪の男の子って｣
｢ああ、零の弟さんですよ｣
｢やっぱしそうなんだ……｣
そう話しながら私達はテラスの端っこに座った。
｢そういえば零と連絡は取らなかったんです？せっかく連絡先交換したというのに｣
｢交換というか一方的な気もするけどね｣
そう、私が事務所に行ったあと、零くんが帰ってきたら連絡先を渡すよう渉くんにお願いをしたのだ。
｢でもほら、零くんって確か機械音痴でしょう？……機械音痴というか使いたがらないの方が正解なのかしら？
でも今回、零くんと話せたし良かったわ｣
｢それにしては浮かない顔をしていますねえ？｣
やっぱ渉くんには分かる？と今までの事を話せるだけ話したあと、なるほど……と呟き渉くんは腕を組んだ。
｢ん〜こんなに話が複雑になっているとは…
恋のキューピットであれば是非とも私が！！……と喜んで手を挙げたんですがねえ〜
ですが逆に、Aは零の事どう思っているのですか？｣
｢私？私は_____｣
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作者名：X | 作成日時：2023年5月5日 21時
