愛されすぎて困ってます【朔間零・蓮巳敬人】 (ページ14)

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蓮巳敬人編ページ14

敬人「ここが夢ノ咲学院か。」

若干緊張しながら校門の目の前で立ち止まる。周りを見渡すがえいちの気配はなく、まだ来てないことが伺われた。

敬人(かなり時間を食ったと思ったのだが、意外と早かったようだな。)

敬人がえいちがまだ来ていないことに驚くのも無理はない。ここまで来るのに壮絶な戦いがあったのだから。

登校中。

入学式に間に合うように早めに家を出る。初めて通る道に若干身構えつつも進んで行く。
すると、細い道で赤い髪の毛の不良に出会った。

敬人(不良か。昔から絡まれやすい体質だからな、気を付けねば。・・・夢ノ咲の制服！？しかもネクタイが緑色ということは英○と同じ学年の人か。ええと確か、えいちから貰った名簿にはk)

紅郎「なにじろじろ見てんだよ。ネクタイが赤っつーことは新入生か。俺は鬼龍紅郎。あんまり俺に構うなよ。」

敬人「俺は蓮巳敬人です。ところで鬼龍先輩は天祥院えいちを知っていますか？俺の幼馴染みなんですが。」

そう言うとビクッとして困ったように首の後ろに手を当てた。

紅郎「知ってるも何も夢ノ咲の生徒会長じゃねえか。あんな目立つやつ知らねえやつはいねえよ。」

敬人は驚いた。全然学院のことなんて教えてくれないから。

敬人「教えてくれてありがとうございます。あ、後、」

そこまで言って鞄の中から絆創膏を取り出す。

敬人「怪我したらすぐに水で洗って手当てするんですよ。今は水がないので消毒と絆創膏貼っておきますね。学院に着いたら保健室で洗ってしっかり絆創膏貼り直してください。あ、綺麗な新しいものですからね。」

注意をしながら膝の傷を馴れた手つきで消毒し、絆創膏を貼る。そこを上から見ていた紅郎は不覚にもこの男を可愛いと思ってしまったのだった。心臓の音がうるさい。

紅郎(こんなに手馴れてるのは天祥院が怪我しやすいからなのか。俺のためじゃねえんだな。くそっ。さっきから胸がズキズキしやがる。――――俺はまさか、こいつが向ける感情や何もかもが天祥院に向けられているから嫉妬、しているのか？)

自分でも意味がわからなかった。出会ったばかりの敬人を自分のものにしたくて堪らないなんて。

紅郎「・・・な。」

敬人「？」

紅郎「オ前の感情や何モかもはあいツの、天祥院の為に在ルのか？嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌ダ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌ダ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌ダ嫌だ嫌だ嫌だ嫌ダ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。なあ、お前ノ存在ハおレの為ニ在れヨ。」