伍拾参 ページ42
【A】
あともう少し、の処で、愛しい刀の声が頭に響いた、
【一緒に来い】
嗚呼、そうだ………あのとき、鶴の手を取っていなかったら、
【今】の私は、此処に居ない……
熱の籠もった瞳で、だき抱えている私を見つめてきて、
身体が火照って居たのも知らずに、
口付けしてきて、
此方のことも、考えてほしいものだわ……、
でも、そんな貴方が、……
『……好き、なんだよね……』
___は?
私は差し伸べられた手を、思い切り振り払った、
『確かに、私はあの人を殺してしまった現況かもしれない、でも、あの人は自分がいなくなる代わりに新たな幸せをくれたの』
___新たな、幸せ?
『________鶴に、巡り合わせてくれた……
あなたも私なら分かるでしょう?』
___っ!!知らないわ!あんな男の事!私は貴方の一部でも!それだけ!幸せなんて、感じたことない!!
『………………うん、ごめんね……』
___何を謝って……っ!?
私は私を抱きしめた、
『ごめんね、ごめん、貴方だって、私なのに……』
___謝る必要なんてない!!私は貴方を消そうとした!それなのに……!
『貴方に、私を消す意思は、元からなかった、最初から、私を試す為にしていたこと、でしょう?』
___っ!!そうよ!何か悪い!?
『ううん、逆に有り難う、私、貴方という存在が、私の中に居てくれるって事に、今とても安心しているの
強がりで、意地張ってて、でも本当はもの凄く泣き虫で、怖がりな貴方、
全部、私と一緒……』
___……………………いいの?
『何が?』
___私なんかが、貴方で……。
『ええ、当たり前よ、だから、帰っておいで、【A】』
___!!……………………うん……
二人のAの身体は、輝きだし、やがて片方は消えた、
〘A、有り難う、私を受け止めてくれて〙
『………!
うん、行こうか』
張られた結界は砕け、光る道を真っ直ぐに見つめ、Aはあるき出した。
137人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪鰆 - めっちゃ面白いです!やっぱり鶴さんかっこいい〜 (2018年9月23日 14時) (レス) id: 835c76ad1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Dream | 作成日時:2018年5月26日 21時