肆拾陸 ページ35
物「Aさんっ!」
手を伸ばせば、先程まで手の届く距離にいた彼女は、もう居なかった、
それと同時に、彼女の一番大切な人も、居なくなってしまった、
僕も、あの瞬間に手を伸ばしていれば、彼女を助けられたかもしれないというのに………、
三「くそ………物吉、Aと鶴丸を救出に行くぞ」
物「……………………っはい………」
貴方があの方を愛していても、僕はずっと、貴方のこの気持ちを、傍にいる事を、やめたりなんてしません、
この伸ばすことの出来なかった臆病な腕を、手を、貴方はとってくれますか……?
________
三「っ………!!?」
Aが引き込まれた時、俺は手を伸ばそうとした、
だが、視界に、鶴丸が映った瞬間、引っ込めてしまった、
結局彼奴は鶴丸の手を取り、洞窟の中へと入ってしまった、
拳を握り締めた、
憎く、苦しい、
鶴丸を酷く、羨ましいと思った、
其れよりも、彼奴を助けられなかった自分自身に、
腹を立てた、
お前が鶴丸の妻だと言うことは充分承知している、が、
前に伝えたというのに、何もわかっていないな、
【お前を好いている】
例え結果が分かっているとしても、伝えたいんだ、
救い出したら、お前の手を取って、
伝えよう。
_______
斬れ、斬れ、
そしたら、あの人の元に辿り着くはずだ、
あの人の為に、
私が大切だった頃のあの人に、
また、会うために………。
___手を伸ばして。
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雪鰆 - めっちゃ面白いです!やっぱり鶴さんかっこいい〜 (2018年9月23日 14時) (レス) id: 835c76ad1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dream | 作成日時:2018年5月26日 21時