肆拾肆 ページ33
鶴「ここって………」
『洞穴……というか洞窟ね、ここから遡行軍が出て来るのを見かけたの』
三「なる程……」
物「洞窟とはいえ油断出来ません、気を引き締めなければ……」
『うん………
…………………………………………え……?』
突然、洞窟の中から大きな手が出てきて、私の身体を掴み上げた、
『ちょ………つ、鶴!!』
必死で右腕を鶴丸へと伸ばす、その時、私は洞窟の中へと引き寄せられた。
________________
「___、___、A」
『……ん………?ここ、は………
って………鶴?なんで………』
鶴「お前の必死で伸ばした手が俺に届いたんだよ、それで一緒に入れられた、
……にしても、ここ何処だ……?」
周りには、橙色に光る蝋燭が無数に置かれている、その中央には椅子がある、しかもかなり豪勢な、
『なんだか……気味が悪い………』
鶴「っ………、!?」
ズシャッ!
『え………?』
鶴「なんでこんなとこにまで遡行軍が………、!!」
鶴「『誰だ!?/誰!?』」
「____ふふふ、流石【私の愛刀】とその夫だね、油断もすきもない」
コツコツと奥から音がする、それに、この声は何処か……
『……………………え?』
「ふふ、そろそろ思い出したんじゃないかな?」
嘘、この声、大好きだったのに、最後には私諸共、自身と共に消し去ろうとした、
______大好き【だった】主様、
『良二様…………なのですか?』
良「あぁ……そうだよ、A」
__________
元主の名前
陸坂良二〈りくざか りょうじ〉
5歳の頃から刀と共に生き、武士としての誇りに忠実な人間だった、
元より両親から武士になることを義務付けられ、幼くして寺に預けられた、
A水城とは幼いころに出会い、ともに難関を超えてきた仲である、
22歳で祝言をあげ、その妻は陸坂が28の時に失くなった、
そして、あとを追うように30歳、自身の家を焼き、自害した。
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雪鰆 - めっちゃ面白いです!やっぱり鶴さんかっこいい〜 (2018年9月23日 14時) (レス) id: 835c76ad1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dream | 作成日時:2018年5月26日 21時