肆拾壱 ページ30
『…………………ぅ……』
長い、夢だった、あの時の夢、
何時もは藤色の私の瞳は、紅蓮に染まった、
そしてその中で自らの命を絶ち、仰向けで倒れている【元】主、
その体は冷たい筈なのに、熱のせいで熱く、まだその人が生きているのではないか、等と淡い期待を生ませる、馬鹿だな、私、自分を消そうとした相手に、何故こんなにも執着してしまっているのだろうか…?
取り敢えず、夢に入る前からとにかく会いたかった人……人かな?に………、
『鶴…………………………』
天井に、線を辿るように手を伸ばす、
鶴「A!目ぇ覚めたのか!?」
『鶴……やっぱり、来てくれた……』
手を鶴の方へと向けると、頬に触れる、
そして起き上がる、と、お互いの唇が重なる、
『…………、有り難う』
鶴「っ………!?ったく……ずる過ぎだろ……」
三「A」
『きゃっ!?三日月!?何時から……』
三「数秒ほど前だ……」
『そ、そう……………って、わ…』
後ろから抱き締められる、と、耳にかかる吐息に声が漏れる、
『っ……』
三「お前の過去も、全て知った、今まで気づいてやれず、済まなかった……」
『………え?過去………って………』
鶴「良二様の事だ」
『っ…!?うそ……鶴!貴方、何を勝手に……!!』
鶴「良い機会だと思ったんだ、皆に知ってもらう……」
『でも、それは私のことであって、貴方が話すことではない……!』
鶴「お前は自分の口から言うことは絶対にしない」
『っ…………』
三「A、一体何をそんなに思い詰めることがある」
『………、
私は、刀剣でありながら主を最後まで守る事ができなかった、それは、刀剣である事を否定する事例、
主を守れないようじゃ、
歴史を守るだなんて無理に決まってる……』
『私には、刀剣として生きる意味なんてな……』
ドガーーン!!
鶴「!!??」
『今の…、ゲートをくぐり抜けられた音ね……』
遡行軍の、……………………襲撃………?
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雪鰆 - めっちゃ面白いです!やっぱり鶴さんかっこいい〜 (2018年9月23日 14時) (レス) id: 835c76ad1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dream | 作成日時:2018年5月26日 21時