丗玖 ページ28
最初は、とても優しかったあなた、
何時も手入れして、朝には返事もないのに【おはよう】って声掛けてくれた、
【ずっと俺と一緒に、この乱世を駆け抜けていこうな】
伝えられないけど、【はい】って言ったら、貴方は、聞こえているかのように、ニカッと歯を見せて笑ったんだ、
嬉しくて、嬉しくて、
今思えば、其れさえも恐怖の対象となっていた。
________
Aは、俺と出会う前、一人目の主がいたんだ、
剣の腕前は確かで、けれど目立つ事は余り好まない、そんな人だった、
そいつはもう妻を娶っていて、本当に幸せそうな奴だった、
そいつとはまだ面識の無かった俺の元主は、いつの日か仲間にしようという魂胆でいた、
剣士で人を斬っていれば、勿論恨まれることだってある、彼奴等は其れを承知で生きていたんだ、
だがある日、戦から帰って来たAの元主は、疲れ果てて家まで帰って来た、
勿論のこと、妻は笑顔で出迎えてくれた、
だが、その直後、
家に、先程の戦相手の生き残りが、家に侵入してきた、
咄嗟に男はAを引き抜き、生き残り達に振るが、手入れをまだし終えていないがため、Aの斬れ味は相当下がっていた、
三人中の一人は辛うじて斬れたものの、あと二人にはもう歯が立たなかった、
ふと見ると、一人の男が妻を襲おうとしている、
名を呼び、すぐさま駆け寄ろうとした、
が、
妻は、貫かれていた、腹から、
涙を流し、妻の肩を揺さぶる、
後ろに迫ってきた男達は、奥に閉まった刀で対処した、斬り終えたら、また妻のもとへ、
もう既に遅く、身体は冷たくなっていた、
男は泣いた。
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雪鰆 - めっちゃ面白いです！やっぱり鶴さんかっこいい〜 (2018年9月23日 14時) (
レス) id: 835c76ad1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ｄream | 作成日時：2018年5月26日 21時
