丗弐 ページ25
白い霧は天井へとふわふわ上がっていく、そして、儚く消えた、
鶴丸「A………っ！！」
鶴丸国永は、先程A水城が消える前に手渡していたと見られるものを手で固く握りしめ、其の場に膝をつき、涙を零していた、
『鶴丸……………………ねぇ、それ、何？』
Aは鶴丸国永の横に膝をつき、背中を擦った、
鶴丸「………これだ」
手を開くと、其処には、
『伊達の……印籠……！』
鶴丸「嗚呼、A水城なら、皆持っているだろう、だが、あのA水城は、何らかの理由で所持していなかったんだ、だからこれは、出陣したときに落ちていたのを拾ったんだ」
『……………………そう……』
鶴丸「これは、Aと、俺がかつて居た主の誇りなんだ、大切で、大切で………っ……！」
鶴「そんな、大事なものをお前に預けちまうほど、彼奴はお前に、まだ刀剣男士としていてほしいんじゃねぇか？」
『うん、私もそう思う』
鶴丸「………、そう、なのか……？」
『うん、なんとなく私には分かるよ、あの子の気持ち、そこまでしてでも、貴方を此処に留まらせたかったんじゃないかな』
鶴丸「でも…なんで彼奴は、そんなに……」
『貴方、言っていたでしょ？【助けに行けなくて御免】って、あの子は、そのままの気持ちで一緒に行きたくは無かったんだと思う、これはあの子なりの、【罪滅ぼししたいんだったら他の私を幸せにしろ！】って遠回しの伝言だと思うよ、
だからさ、
また、一から始めてみようよ、新しい主のもとへ、
新しいA水城の元へ、
行ってみようよ』
左手を差し伸べるAに、鶴丸国永は、伏せていた顔を上げ、
Aの手を振り払った、
『え……』
鶴丸「っざけんじゃねぇよ！
誰かの手なんか借りてやるか！俺は俺の手で、新しい幸せを掴んで見せる！見てろよ！」
『………！……………………ふふっ、うん、私も、貴方と、また逢える時を、楽しみにしているわ』
鶴丸「嗚呼！」
___________
有り難う、私、
__うん、けど、いいの？
何が？
__ほんとに、一緒に行かなくて
いーの、だって、あの人は私のこと、折られる直前まで、ずっと思ってくれるから、
__……そっか、
あ、時間だ、
__うん、
バイバイ
__さよなら
幸せになってね、私、【鶴】
__あなたも、また、あの鶴丸国永と、会える時まで、
《笑顔でいよう君の為に
また、笑い会えるときを夢見て》
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雪鰆 - めっちゃ面白いです！やっぱり鶴さんかっこいい〜 (2018年9月23日 14時) (
レス) id: 835c76ad1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ｄream | 作成日時：2018年5月26日 21時
