−2−痴情の縺れで100回死んだ女【呪術廻戦】

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「縛……り？」

『そ、縛り。えっとね、100年…いや、あまり変わっ、てなさそうだから、1000…年？後に、私は生まれ、変わるの。そう、だな……どうせ、なら、非術師として……生まれ変わろ、うかな…』

「なんで非術師に生まれ変わるんだ。会える確率が下がるんだぞ…っ」




なんで…かぁ。今まで呪術師目線で生きてきたから、ちょっと非術師として生きてみたかっただけなんだけどな。



朦朧としかけた意識の中、『いいじゃん、たまには』と笑いかける。非術師としての人生も楽しそうだし。




「でも、会えなかったらどうするつもりだ…っ」

『え……うー、ん……その時は、縁がなか、ったってこと…で』

「ふざけるな……なら、俺からも条件を付ける。お前は、俺に会えなかったら延々と過去に戻り続けるんだ。そうだな、その日付は…15歳の今日まで戻り続けるというのはどうだ？」

『うわ………意地、でも未来、で会う、つもりじゃ、ん。いい…よ、でも、何度も、死に続けるのは、気が滅入る、なぁ』

「なら、100回はお前の希望通り非術師として生き、それでも会えなかったら101回目には今のお前の術式を発現させる。そこまでしても会えない場合は、潔く諦めてやろう」

『潔く、って…』




今の宿儺の顔さ、潔く諦めるって感じじゃないんだよなぁ。むしろ、どんな手を使っても見つけ出すって感じ。



どうやら、私は宿儺と会えなければ100回も死ぬ羽目になるようだ。やれやれ、私も頑張って見つけ出さないと。未来で忘れてなければ…って条件付きだけどね。



さっきまで酷かった痛みが、今では全く感じられない。もう私は助からないんだ。あーあ、こんなに早く死ぬ予定なんてなかったのに、な。


あと、何か伝えないといけないことは…と考え、私は宿儺の頬に自分の手を当てた。宿儺の頬に血を付けちゃったけど、最期くらい許してよね。




『すく、な……今まで、ありが、と…。だい、す……き』

「A……？Aッ！！目を開けろ、A！！」




宿儺の悲鳴を聞きながら、私の視界が完全に闇に染まった。

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