ゆうくんの妹ちゃん【遊木真】

#1「似てるようで似てない」 ページ2

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「嵐ちゃん、おはよ」

「あら、Aちゃんおはよう」



今日はちゃんと起きれたみたいね、とお化粧をしながらあたしに言うクラスメイトの嵐ちゃん。

中学時代からのモデル仲間である。


「真に叩き起こされたからね〜」

「ちゃんと自分で起きなさいよ…」

「善行します…」

「Aの寝起きの悪さは合宿の時に思い知らされたからねぇ」

「うるさいなあ、りっつに言われたくないし」



実はこの前のGW、合宿のために学院のスタジオで寝泊まりしたことがあったのだが。

あたしだけ２０分ほど寝坊した。ちなみに泉さんがあたしの鼻を摘んでも起きなかったらしい。

その節はご迷惑をおかけしました…。

のんびり話しながら自分の机の上に荷物を置いて椅子に座る。


隣の席は嵐ちゃん。左はりっつ。



「あれ、A来てたのか」

「真緒おはよ」

「はよ、今日はちゃんと間に合ったみたいだな」

「寝起きの良さは全部真に取られたの！」

「顔面偏差値は兄妹同じなんだしいいんじゃない」

「その顔面偏差値っていうのやめて…」


いや別にいいんだけどね、顔面偏差値でも。

真と綺麗さが同じって言われるのはすごい嬉しい。

ちなみにあたしは眼鏡外した真の顔は好き。



「まあ顔というか雰囲気似てるよな。性格以外」

「うん、性格以外は似てるよねぇ」

「確かにそれ以外は似てるわねェ」

「ねえ貶してる？褒めてる？？」

「褒めてる褒めてる」

「おい目を逸らすな！」



彼ら曰く性格以外は似てるらしい。

解せぬ。



「衣更くん〜」

「「あ」」

「え、なに」

「今ちょうど真の話してたんだよ」


噂をすればなんとやら、ですな！

どうやら真は真緒にジャージを借りに来たらしい。

ジャージ…ジャージかあ、あたし持ってたっけ？


「あ〜俺持ってない、ごめん！」

「そっかぁ…Aはジャージ持ってる？」

「多分持ってるよ」

「多分…」

「あるだろうけど入るかな…」


あ、あった。

とりあえず真にジャージを投げつける。ついでに入るかどうか試しに着させてみたところ…



「入った入った、結構余裕」

「……」

「A、元気だしなよ」

「やかましいわ！」


なんかりっつに慰められた。








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