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車に乗って約一時間程経った頃。
住宅街を抜け、郊外にある山道を車で登っていると山に本来無いような四角い『BLUEROCK』と示された建設中の建物があった。
「これは」
「これこそ今、日本フットボール連合が計画している極秘プロジェクト──”青い監獄”よ」
「ブルー…ロック」
監獄。しかもそれはフットボール連合が運営。
つまり、何かの育成施設。はたまたサッカーへのある目的の為の施設か。
少なすぎる情報では予想・予測も出来なく、幸は何が待ち構えているのか気を引きしめる。
「さあ、中に入って。ここに貴方を呼んだ人が居ます」
「はい」
自動ドアが開き、中に入るとそこはなんの面白みもない廊下がずっと先まで続いている。
幸はアンリに着いていくと『ここよ』と言われてさらに気を引き締めた。
「失礼します、絵心さん。例の彼女を連れてきました」
「お疲れさま、アンリちゃん。はじめまして、俺は絵心甚八。日本をW杯優勝させる為に雇われた人間だ」
「日本を…優勝？」
「そうだ」
それは結構無理な話ではないか？ と口にはしなかったが幸は心の中でそう思った。
日本のW杯での成績はベスト16止まり。
ベスト8にも入れてないのに、いきなり優勝とは大きく出た。
「単刀直入に言うが、紲為幸。 今この日本サッカーが世界一になる為に必要なのは何かわかるか？」
絵心の問に幸は脳を回転させる。
確かに日本には有名なサッカー選手は沢山いる。
有名所で言えば中田英寿選手や本田圭佑選手。
しかし、優秀な彼らがいても日本は優勝をすることはできなかった。
それは、
「
「そうだ。そして俺は世界一のストライカーを創る実験の為に全国から集めた才能の原石達300人の中からたった一人の頂点を決める」
「…成程。何かの育成施設だとは思っていましたがそういう…。だから青い監獄。選手達による監獄の中でのサバイバルバトルってことか」
「話が早くて助かる。それで紲為幸。お前の目から見て日本のサッカー界はどう見る」
「……………オブラートには？」
「いい。今この場には俺達三人しか居ないからな。それに、お前の脳を否定する奴はいない」
幸は顎に手を当てて、サッカー界について数十秒考えると、結果が出たのか顔を上げて絵心の目を真っ直ぐ見た。
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作者名：Yuri
| 作者ホームページ：https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時：2023年1月10日 21時
