最前線を駆け抜けろ【約ネバ】

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鬼ごっこはもう終盤。

エマ以外の子供は皆、ノーマンに捕まっていた。

ノーマンとエマの一騎打ち。

それで



エマ「また捕まっちゃった〜〜っ」


『でもラスト1人で10分持ちこたえたじゃあないか。新記録だよ』


エマ「セイィィィ！」


エマは私に抱きついたきた。

私より背の低いエマをよしよしとする。


エマ「くやし〜〜〜〜なんで!? なんでノーマン、あんなに強いの？
私かけっこじゃ負けたことないのに、鬼ごっこじゃ勝てたことないよ！」


レイ「………問題。 現状、ノーマンにあってエマにないもの、なーんだ？」


エマ「え!? いっぱいありすぎて…」


『今エマが考えていることは全て不正解だよ』


エマ「うそぉ!?」


大方何を考えているかは予想がつく。


レイ「戦略だ」


エマ「戦略…？」


『そう。確かに単純な身体能力ならばエマの方が上だ。』


レイ「でもノーマンは頭が強い。ハンパない。そしてこれは鬼ごっこ。
まさに戦略を競う遊びなんだよ」


いや、普通は唯の遊びだけれど。


レイ「標的がどう動くか。「鬼」がどう攻めてくるか。
状況を観察・分析し、常に敵の策を読んで利用する思考が必要になってくる。
身体をフルに使ったチェスみたいなものだ｣


多分、乱歩や太宰がやったら……否、考えるのをやめよう。

かなりシュールな戦いになるだろう。

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