【東京喰種:re】 君に幸あれ 『伊東倉元』

5 ページ6

ぽつ、ぽつと時々思いだしたように街灯が家路を照らす



人通りはないに等しく一人で帰るのは少し心細かった




誰もいないアパートの前でポケットから鍵を出して鍵穴にさしてひねればドアが開いて真っ暗な空間が広がる



すぐそばにあったスイッチを押したとたん、柔らかいオレンジ色の明かりが一気に部屋を包み込んだ



パンプスを脱ぎ、ジャケットを適当に椅子にかけてベットにダイブする

安いフレームが悲鳴を上げたが気にせずに寝返りをうつ




仕事終わり、歓迎会と称した飲み会で注がれるままに飲んでいたら思いのほか酔いが早く回り、一人潰れないうちに帰ってきた



「.........みず」




重たい体をむち打ってふらりとキッチンに向かう


水道のレバーを上げてコップを蛇口のしたに置けば見る見るうちに水がたまっていく


それをそのまま一気に喉へ流し込めば体温よりも低い水道水が流れていくのが分かった



そのまま頭をたれればシンクに額が触れる



しばらくそうしていると別の部屋からケータイの振動する音が聞こえて、再び体を動かした



ディスプレイにうつしだされたのは、知らない番号



少し考えて再びベットの上に沈めて浴室へ向かった

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す