【東京喰種:re】 君に幸あれ 『伊東倉元』

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｢おじゃましまーす｣


玄関を開けて中へ入ると続けて班長が部屋へ入ってくる


｢上着はこれにかけて置いてください、何か飲みます？｣


｢じゃあ、麦茶で｣


買ったものをキッチンに置き、冷蔵庫にある麦茶と氷を取り出す


食器棚からよさげなコップを選び氷を数個入れ、麦茶を注げば涼しげな音が鳴る


｢どうぞ｣



ローテーブルの上にコースターとともに出せば再びカランと音がなった



｢ありがとう、何か手伝うよ｣


｢そうですか？じゃあアボカドの皮をむいてもらえますか？｣


｢オーケー、まかせとけ｣


出された麦茶を半分ほど飲み干すと
ワイシャツの袖をまくりながら隣に立つ

その間に冷蔵庫からきゅうりやトマト、レタスを出して洗い始める

冷たい水が手を滑りながら汚れを落としていく


｢皿はこれ使ってもいい？｣


食器棚から大きめのボウルのような大きな器を取り出しながら私が切った野菜を入れていく


こうしていると新婚みたいだなと考えながら鍋に火をかける


今日は班長がリクエストしたカレーだ


｢ていうか、二人でいる時ぐらい班長呼びやめようよ｣


｢......伊東さん｣


｢いや、せめて倉元にしてよ｣


ぐつぐつと煮立つ鍋の中に野菜を入れて火力を１上げる


食器棚から2人分の取り皿とスプーンを出してローテーブルに置いていると後ろからのしかかるように班長が抱きついてきた



｢ちょっ、重いです！離れてください変態!!｣


｢倉元って呼んでくれるまで離しませーん｣


｢はん、...倉元さん!｣


こちらが折れる形で呼ぶと満足げにぱっと離れてくれたが、こっちは暑くてそれどころではない

熱を冷ますようにぱたぱたと手で扇ぐがほとんど意味は無い


｢いやー、初々しいねー｣


余裕と顔に書いてある班長の顔面を殴ってやりたい気持ちを行動に移さない自分は偉いと思う

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