九条の貴婦人Ⅱ (ページ27)

今日:1 hit、昨日:19 hit、合計:105,268 hit

75 ページ27

そして全国大会当日、Aは祖父であり弓道の師範である九条清隆と連絡を取っていた

九条「A、自分らしく今日の個人戦に挑みなさい。わしは配信で見てるからな」

A「はい……行ってまいります」

晴れやかな表情をしたAはそう返事をして弓具を持ち、バスで会場に向かった

昨日Aと鳴宮たち男子の選手登録を済ませた後ホテルに向かうと桐先と辻峰も同じく宿泊していた事実に運命を感じる

妹尾「もうそろそろAの出番だね」

鳴宮「がんばって、A」

如月「九条Aの射を魅せてきちゃって！」

制服を着て選手カードを首にぶら下げた風舞のみんなはAへ応援のメッセージを伝え、今から勝負しに行くAと介添えのトミー先生を見送る……

風舞のみんなは観覧席に座り上からAの射を緊張しながら応援する

小野木「安定の皆中、流石だな」

如月「個人戦は予選と準決勝戦は3中以上中らないといけないからハードル高いよね」

山之内「今日1日で個人優勝が決まるの？」

鳴宮「うん、決勝は射詰め競射するんだけど5射目からは直径24センチの星的を使うんだ」

竹早「途中で外したら遠近法で順位が決まる……でもAはそういうの考えないんだろうね」

山之内「どうして？」

鳴宮「Aは中て続ければいいって考え方をしてるからね」

【中て続ければいい】という弓道におけるAの座右の銘を聞いた山之内は改めてAの凄さを知った。普通、中てなければいけない場で勝ちたい欲が出るがAにはそういった欲が見えないからだ……

そして準決勝戦も皆中し決勝戦、Aから溢れる清い空気が会場を包み自分の領域だと支配していく

如月「あと残ってるのは4人だね」

どんどん退場していく選手を見送りながら堂々としてるAを見つめる

妹尾「私たちも来年はあの場に立ちたいね」

白菊「もちろんですわ！」

花沢「後輩が出来たら団体戦にもエントリーしたいね！」

そして残った2人が的前に立ち弓を引く＿＿会場にいる者はAの的だけ矢が刺さっているのを見て大きな拍手をする

全国大会、九条Aの個人優勝が決まった瞬間だった……