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鳴宮「あの、二階堂先輩。これ、うちのコーチたちからです。よかったらどうぞ」
不破「お、わりぃな。ゴチになります！」
太田黒「あざっす！！」
樋口「どうも」
荒垣「あざます」
不破は鳴宮からビニール袋を受け取り滝川へ礼を言った。太田黒や樋口、荒垣も続いて礼を言う。二階堂も立ち上がりビニール袋に入っている麦茶を手に取った
二階堂「いただきます……ご丁寧にすまないな、湊ちゃん」
鳴宮「いえ！先輩たちの射を見るのはすごく勉強になりますし……あ、そうだ。よかったらみなさんが5人立するところ見学させてもらえませんか？」
二階堂「は？」
鳴宮「俺たちどうしても息合いが上手くいかなくて……辻峰の5人立、もう1回生でちゃんと見てみたいんです。お願いします！」
鳴宮はそう言って頭を下げた。その姿に二階堂はハンズアップし困った表情をする。その時、二階堂とAの視線が合わさり、Aは辻峰の方へ向かう
A「湊、なにしてるの？」
鳴宮「二階堂先輩たちの射を見せてほしいって頼んでたんだ」
その時Aは眉を若干顰めて静かに息を吐いた
A「……湊、欲を人に押し付けるのはよくない」
鳴宮「押し付けてない、Aだってもう1回先輩たちの射型見たいだろ？」
A「湊、」
荒垣「別にいいんじゃないか？」
Aは口を開こうとすると同時に荒垣が話す
太田黒「この麦茶の恩もあるしな！」
樋口「面倒だけど〜まぁ」
賛成の流れが来ている中、不破は二階堂に話しかける
不破「構わないだろ、どうせうちも団体戦の練習はする予定だったし」
二階堂「……わかった」
鳴宮「ありがとうございます！」
礼を言った鳴宮は小野木たちの元へ戻っていく。その後ろ姿をAは冷たい目で見ていた
A「……綺麗事を、その目はお飾りなのね」
太田黒「九条さん？」
淑やかそうなAの口から放つ冷たい声に太田黒は驚いて声をかける
二階堂「A、ありがとう」
不満げな顔をしていた二階堂はAの頭を撫でて優しく礼を言った。「ありがとう」という言葉にいろんな意味が含まれていると不破は悟った
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作者名：奏 | 作成日時：2023年2月6日 10時
