【ワールドトリガー】"それは甘いし苦かった"【短編集】

三雲修>>夕日が見守る ページ1

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ただひたすらに走った。
走って、走って走って、きみの姿を探した。


「朝日奈センパイ！」
「朝日奈！」


途中で米屋先輩や夏目さんに会って、三人で探す。
そうしたら、きみはすぐに見つかった。


「修！大丈夫！？」


私や出穂が駆け寄る。ぐったりしたきみが目に痛く映る。ごめん、ごめん_______
駆けつけてあげられなくて、ごめん。


「ちゃんと言われたとおり 隠してたチカ子見つけてきたっすよ！」
「やべーな 血ぃ出すぎだろ」


私はふたりの声も聞かず、換装をといて持っていた服の裾を破りきみの怪我した位置に巻き付ける。



「傷だけ縛って基地の医務室に運んじまおう
病院よりそっちのほうが早えーや」


「朝日奈了解」
「了解っす！」


死なないで、死なないで。
震える手をなんとか押さえ込んだ。




＊




「米屋先輩。」



「んー…？どうした」



本部に設置された自動販売機に小銭を入れ、ん、と私の大好きなココアを渡してくれた先輩に声をかけた。


「……修、だいじょうぶですかね。
…だいじょうぶ、ですよね？」



そんな私を見た米屋先輩は一瞬驚いたような顔をして、くしゃっと笑った。


「生きてるに決まってんだろ」


力強く頭を撫でて(乱暴だからやめろと怒った)
ひたすら時間が過ぎるのを待った。




「修、……早く、話したいよ」

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