酔う ページ5
『あれー、何してるんですか?』
職員室に戻ると先生方が机を囲み話し合っていた。
「あぁ、おかえりなさい。今学級を決めているところよ」
なるほど、クラス替えか。
「砂川もどの学級に入るか決めなくてはならないな」
「はいはい、俺のとこで面倒見まーす」
私の後ろで声を上げた宇髄先生。
え?面倒見るって…え?
「あぁ、知り合いらしいよなァ」
なんか広まってるんだけど。
「では砂川は宇髄の学級の副担任ということで」
『えっ』
い、嫌だ!
こいつ、やたら私のときにしゃしゃり出てきやがって!
「よろしくな、砂川先生♪」
がっしり肩を組まれ、隣を見ればいい笑顔。
近いんだって。
「じゃあ、みんなお疲れ様」
「あー働いた働いた。
このあと飲み行くやつこの指とーまれ!」
いちばん働いてないであろう宇髄先生。
しかしどこからもツッコミは飛ばず、「はーい!」と宇髄先生の方に寄っていく大人たち。
『じゃ、私はこれで…』
「砂川は強制。お前の歓迎会なんだぜ」
聞いてません!
「それじゃあ砂川先生に音頭を取ってもらおう!」
『え、えーと、かんぱーい』
「「「かんぱーい!」」」
すでに酔いが回っているかのようなテンションだ。
大人の飲み会って怖い。
笑ったり怒ったりいろんな酔い方するよなぁ。
わ、悲鳴嶼先生泣いてるよ…元からか。
「よ、飲まねーの?」
『ぎゃ、宇髄先生』
突然肩を組んでこないで。
『飲んでますよ』
「酒は」
『好きじゃないんで』
ずっとおひや。お酒は苦手。
「あ、そ」
顔を覗き込まれる。ちょっと息がお酒くさい。
「ずっと思ってたけどお前、地味に他人行儀だよな。
俺悲しくなっちまうわ」
知らんし、退いてほしい。
と、おでこ同士がくっつく。
『ひ』
「熱くなった。かーわい」
蠱惑的な瞳。
頭がくらっとして、まずいなと思う。
すぐに宇髄くんのペースに巻き込まれる…あの時みたいに。
「それくらいにしておけ。絡み酒はみっともないぞ、宇髄」
「酔ってねえよ伊黒ちゃん」
伊黒先生だ。助けに入ってくれた安堵より、目撃された恥ずかしさの方が大きい。
「今日は一段と舞い上がっているな。そんなに旧友と会えて嬉しいのか」
「そうそう、実は俺ら…」
宇髄くんが悪い顔をしている。まずい。
『わーっ、あの、お酒注ぎましょうか!』
大声で話を遮る。
いい加減にしろ、と宇髄くんを睨みつけたが無視された。
46人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いのり(プロフ) - ゆんさん» 気に入っていただけたようで嬉しいですっっ( ; ; )応援ありがとうございます、頑張ります!! (2022年2月10日 15時) (レス) id: 13648d0b87 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - めっちゃ好きです、この歪んだ宇髄さん……前から拝読しておりましたが、好みすぎてコメントしちゃいました(笑)これからも無理のない範囲で更新頑張ってください♪楽しみにしています😌 (2022年2月8日 7時) (レス) id: 45bbc3e57c (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - *カスミソウ*さん» ありがとうございます♪ここからも拗れまくります!ぜひお付き合いくださいー!! (2022年2月2日 6時) (レス) id: 13648d0b87 (このIDを非表示/違反報告)
*カスミソウ*(プロフ) - 読ませていただきました!なんともいえない2人の関係にきゅんとしながら見ております!とっても面白かったです!次の更新も楽しみにしております(*^^*) (2022年1月29日 11時) (レス) @page34 id: b38fa73fcf (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - まっひーさん» かっこいいの分かります(*´꒳`*)コメントありがとうございます! (2021年12月26日 12時) (レス) id: 14af0b5718 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ