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醒める ページ6

がたん。

『…』

電車が大きく揺れ、目覚めた。

おかしいな、あんなに不安だったのに寝てしまっていた。


駅に着いていた。

彼はゆっくりと腰を浮かす。
肩に鞄を担いで、首を少し傾けて私を見た。

私も慌てて立ち上がって、後についていく。

駅の構内を出てしばらく進むと海があって、
荒い砂の海岸を素足で歩いた。

目的地じゃない。行き着いただけだ。

わざわざ学校を抜け出してくるにしては、つまらない。

そこでいくつか言葉を交わすが、
その内容は私と彼の姿が遠くにあるため分からない。

それから、私たちは向かいあって、口付けを交わす。

他に誰もいないのをいいことに、ごく自然と唇を重ねた。

私は馬鹿みたいに彼の服を掴んでいて痛々しい。


あの時拒んでいれば、何か変わっていただろうか。






二度目の目覚め。

瞼越しに、朝日と違和感を感じとる。
薄ら目を開くと確かに知らない場所だった。

「おはよーさん」

『…』

宇髄くんだ。

なんというか、想像はつくので驚かない。


『飲ませた?』

「人聞き悪、お前が勝手に間違えたんだろ」

『そっか。ごめんね』

質素なベッドにシンプルな部屋。
目を凝らせばちょっとしたこだわりが見える。

『地味な布団』

純粋に感想を言うと、宇髄くんは笑った。

「いつか王様みてーなベッド買うよ」


頭がまだぼんやりしてるし、痛い。

昨日の飲み会で宇髄くんに辛いおつまみを無理矢理食べさせられ、差し出されたお水…らしきものを慌てて飲んだときからおかしい。

つまりほとんど犯人確定だが…指摘したらもっと面倒だ。

いつか証拠は揃えて訴えてやる。

「派手に寝てたな、疲れてんの?」

『別に。新生活ってそんなもんだし…てか主に宇髄くんのせい』

「朝飯食ってけよ」

聞き流された。なんだこいつ。

そのまま、ふいっと行ってしまう宇髄くん。

束ねた髪の奥にちらつくうなじ。
筋肉質で骨張っているのに、艶やかだ。

…私、何考えてんだろ。

「A、こっち」

力の入らない体を立ち上がらせ、ふらりと足を踏み出した。

垂れる→←酔う



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いのり(プロフ) - ゆんさん» 気に入っていただけたようで嬉しいですっっ( ; ; )応援ありがとうございます、頑張ります!! (2022年2月10日 15時) (レス) id: 13648d0b87 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - めっちゃ好きです、この歪んだ宇髄さん……前から拝読しておりましたが、好みすぎてコメントしちゃいました(笑)これからも無理のない範囲で更新頑張ってください♪楽しみにしています😌 (2022年2月8日 7時) (レス) id: 45bbc3e57c (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - *カスミソウ*さん» ありがとうございます♪ここからも拗れまくります!ぜひお付き合いくださいー!! (2022年2月2日 6時) (レス) id: 13648d0b87 (このIDを非表示/違反報告)
*カスミソウ*(プロフ) - 読ませていただきました!なんともいえない2人の関係にきゅんとしながら見ております!とっても面白かったです!次の更新も楽しみにしております(*^^*) (2022年1月29日 11時) (レス) @page34 id: b38fa73fcf (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - まっひーさん» かっこいいの分かります(*´꒳`*)コメントありがとうございます! (2021年12月26日 12時) (レス) id: 14af0b5718 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いのり | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年8月31日 6時

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