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悔やむ ページ28

なんで、なんでなんで。

なんで、キスなんか。


今までにない速さで家に着いた私は、玄関で鞄を抱えて座り込んだ。

唇に指で触れる。
ふわふわとした綿のようなものがずっと触れている気がした。

なんのつもりなの?

宇髄くんは、まだ弁えているものだと思っていたのに。

なんで。


そういえばあの時も成り行きみたいなのでキスしたし…

宇髄くんってノリでやっちゃうタイプなのかな。

『やば…』


駄目だ、考えても無駄だ。

明日からどうしたらいいかな。
どういう顔して会えばいいのかな。

嘘つかなきゃよかったかな。


ぐるぐる考えているうちに夜は更けていった。





ーーーーーーーーー

何してんだ俺。俺何してんだよ。

なんで、キスなんか。


Aは風のように消えていった。
そりゃそうか。いきなりキスしたしな。

何やってんだ俺。自分のことながら信じられない。

もうこれは訴えられるぞ俺。勝てねぇぞ。
する気はなかったなんて言い訳にならねぇし。


っつーか、何してんだよ俺…


「宇髄、砂川がとんでもねぇ速さで走ってたが何かあったのかァ」

『うおっ』

なんだ、不死川かよ。脅かすなよ。

「なんだよその顔はよォ…」

『い、いやいや何もない!断じて何もない!』

変な顔をされる。
何も言うな、言わないでくれ。

「つーか、帰ったのか?職務放棄じゃねェか」

『いや、それは俺が悪い…』

「あァ?」

『いや、なんつうか…俺のせいだから、あいつは責めないでくれ』

不死川は変な顔をしていたが、渋々頷いた。いい奴だ。

『不死川ぁ…』

「なんだよ、手伝わねェぞ」

『…俺が社会的に死んでも友達でいてくれな』

不死川はなんとも苦々しげな表情をした。
冗談で言っているわけではないということは分かったようだ。

「それは、頷き難い…」

『だよなぁ』

戸惑った様子の不死川だったが、ふと深刻な声を出す。

「諦めたような顔してんじゃねェ。何があった、言ってみろ。簡単には死なせねェよ」

不死川…

「お前は適当な大人に見えるが、実際ちゃんとしてるからなァ。俺は信じたい」

『不死川…』

なんだこいつ、世界一の男前か?
でもな、ごめんな。

誰がどう見てもクロなんだよな。


はぁ、死んだ、俺。

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いのり(プロフ) - ゆんさん» 気に入っていただけたようで嬉しいですっっ( ; ; )応援ありがとうございます、頑張ります!! (2022年2月10日 15時) (レス) id: 13648d0b87 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - めっちゃ好きです、この歪んだ宇髄さん……前から拝読しておりましたが、好みすぎてコメントしちゃいました(笑)これからも無理のない範囲で更新頑張ってください♪楽しみにしています😌 (2022年2月8日 7時) (レス) id: 45bbc3e57c (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - *カスミソウ*さん» ありがとうございます♪ここからも拗れまくります!ぜひお付き合いくださいー!! (2022年2月2日 6時) (レス) id: 13648d0b87 (このIDを非表示/違反報告)
*カスミソウ*(プロフ) - 読ませていただきました!なんともいえない2人の関係にきゅんとしながら見ております!とっても面白かったです!次の更新も楽しみにしております(*^^*) (2022年1月29日 11時) (レス) @page34 id: b38fa73fcf (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - まっひーさん» かっこいいの分かります(*´꒳`*)コメントありがとうございます! (2021年12月26日 12時) (レス) id: 14af0b5718 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いのり | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年8月31日 6時

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