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「…はぁ……ヤーデちゃんはまだ子供や｡あの歳の子を更に辛く､酷い目に合わせたいんすか?クソ先輩はともかく､シャオさんまで心が無かったとは」
暫くの沈黙を破ったのはショッピ｡
狂犬組も賛成派もしんぺいもそうだが､特にショッピは過去の出来事から他の奴らよりピリピリしとる｡
「…は?……てかどーせショッピは昔の自分と重ねてんやろ?同情乙」
シャオロンは煽り返しながら言うが､その顔は真顔｡
と､シャオロンが言いきったと同時にショッピが立ち上がり､シャオロンの椅子の方へ駆け出した｡
「止めろ｡総統命令や」
俺が言うとショッピはシャオロンの胸倉を掴んだ所で止まる｡
珍しい俺の総統命令に全員が息を飲んだ気がした｡
先程とはまた別の重い空気に変わる｡
「グルッペンさん…!なんでや､なんでそれを､総統命令を!この問題に使わんのや!!」
ショッピが胸倉を掴んだまま叫んだ｡
「これは俺ら全員の問題になるのでな｡全員の承諾を､賛成を得た上でヤーデを仲間にしたいのだ」
元から考えていた事をそのまま､伝える｡
俺らの目標のために｡
俺が言った数秒後､食堂の扉が開く｡
「…内ゲバにも程があるめうよ」
入ってきたのは深緑の糸目を開いた外交官｡
「ヤーデちゃんはゾムの妹｡それはもう変わらないで」
はぁ､と一息ついた後オスマンは言った｡
流石はウチの国の外交官だ｡
この一言だけで流れが､空気がオスマンの物になっている｡
実にオスマンらしいな｡
「オスマン!なんで此処に?!」
「せや｡ヤーデちゃんと城内探検中やないん?」
オスマンの方を向き言うのはロボロと鬱｡
「我らが総統閣下からの呼び出しめう｡俺もヤーデちゃんと城内周ってたかったんやけど」
とんだ災難やわ､と言いながらオスマンは肩を竦める｡
「…オスマンまで…!」
驚く様に､意味が分からないと言う様に､コネシマが言った｡
「せやで､俺までもや｡
ヤーデちゃんは､純粋で､良い意味でも悪い意味でも何も､何も知らない｡
…俺が､断言しよう
―――ヤーデは嘘を吐いていない」
早口で､それでもゆっくりと､確実にオスマンは言った｡
オスマンの顔には､笑みが浮かんでいた｡
外交の時とはまた違う笑みや｡
オスマンは更に続ける｡
「自分ら､過去を捨てたなんて言わせへんぞ｡
俺とオスマン以外の瞳孔が開いた｡
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作者名：アンバ | 作者ホームページ：ないと思ったか！……ないんですよねぇ
作成日時：2020年12月30日 20時
