第5章 ページ45
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こ「A、飯だって。」
ドアをノックしながらそう告げ、向かいのさとみくんのドアに向かって手の甲を向けた。
なんの音もしない。
さっき見た夢が蘇り、途端に冷や汗が頬をつたう。
こ「A…?A?!」
咄嗟にドアを開ける。
さ「どうした?大声出して」
こ「Aが…Aが…っ!」
さ「は?…っA?!」
僕らの目に飛び込んできたのは、ベッドの脇で気を失っている彼女。
そしてその手元には、先が黒く変色したアネモネの花弁。
さ「な…んで…?」
こ「わかんない…わかんないけど…」
な「ころちゃんさとみくんどうしたの?」
る「遅い、……っ!」
り「えっ…A…?」
ジ「A?A!A!」
な「…と、とりあえず救急車っ!」
…
夢を見ていた。
みんなが、みんなが泣いている。
みんな黒い服で私を見下ろしている。
そして場面が切り替わる。
少しピンクがかった髪の男の人が、
私に向かって微笑みかけている。
周りに居るみんな白い服で、笑ってる。
私は、誰?
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作者名:sky | 作成日時:2019年1月21日 19時