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「同じクラスなら、Aに美門とアーヤを紹介する必要もないってことだね」
「うん、知ってるよ」
そう言った櫻木さんは、私と翼の方に向き直った。
「美門くんには校舎案内してもらったし、立花さんのことも覚えてる」
何も関わらなかったのにすごいなぁ。
でも、嫌いな人を記憶から消すっていってたのに、関わってもいない私のことなんてどうして覚えているんだろう。
「あ、立花さん。もしかして、私が佐田って人に言ったこと気にしてる?」
半分合ってるけど、気にしてるという言い方は違う気がして、頷くことも否定することもできなかった。
「あの、勘違いしないでね。あれ嘘だから。嫌いな人を忘れられるなんて、そんな能力ないってば」
そう言って笑う彼女。
ちょっと安心したかも。
でも、あんな状況で嘘って……。
やっぱり翼に似てるかもしれない。
「櫻木って、見てて思ったけど、強いよね」
翼の言葉に呆気にとられた表情を見せたあと、すぐに笑顔になった。
「美門くんに言われたくないなぁ。聞いたよ、相当佐田に強く言ってるって」
「お互い様でしょ」
「まぁね」
微笑みあっている二人。
もう友達なんだ。
柔軟な翼が羨ましい……。
「でも、アーヤだって似たようなもんだよ。おとなしそうに見えて、佐田に対しては意外と気が強いんだぜ」
「そうなの?」
いきなり話をふられて戸惑ってしまう。
……そんなことないと思うけどな。
「おいそこ、浜田トークはやめろ」
見ると、若武が不機嫌そうにこちらを見ていた。
「じゃ、お話はそこまでにして、本題にいこうか」
そう切り出したのは黒木くん。
「俺がAをここに呼んだのは、Aをkzメンバーに推薦するためだ」
その人ことで、若武たちの表情はいきなり明るくなった。
「ナイスだ、黒木!」
「でも、Aには何の説明もしていない。ここはやっぱり若武先生から、勧誘してもらうべきだと思ったから」
大きな出番が回ってきたことを悟った若武は、その目を輝かせた。
「俺たち探偵チーム組んでるんだ!」
「……探偵チーム?」
「そう、事件を見つけては解決していく。いつかテレビにでも出るだろうな。ちなみに、リーダーは俺だ!」
いきなりスイッチが入ったらしい若武。
綺麗なその二つの目は、櫻木さんを見据えた。
そしてこう言い切ったんだ。
「A、お前も入らねーか?探偵チームkzに!」
作者のひとりごと(随時更新)
春編お付き合いありがとうございました!夏編は私が書きたかったお話てんこ盛りなので、なかなかまとまらずに苦戦中です……。気長にお待ちいただければ有り難く思います。それでは続編でお会いしましょう!
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奈都(プロフ) - 涼宮美桜さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けるとやる気が出ます。師走の忙しい時期ですが、とにかく公開だけはしようと思っているのでお待ちください。 (2018年12月9日 21時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - 12月15日、絶対に夏編見ます!楽しみです!これからも、頑張って下さいね! (2018年12月7日 16時) (レス) id: 73c1c90619 (このIDを非表示/違反報告)
奈都(プロフ) - 涼宮美桜さん» ありがとうございます!とても嬉しいです。夏編がなかなか書き進まず、公開は遅くなってしまいそうなのですが、必ず完成させるのでもうしばらくお待ちいただければ嬉しく思います。 (2018年11月6日 22時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - とっても面白かったです!夏編も楽しみにしてます!! (2018年11月5日 16時) (レス) id: 73c1c90619 (このIDを非表示/違反報告)
奈都(プロフ) - 志恵さん» コメントありがとうございます!春編まではとりあえず早めに更新できそうなので、頑張って進めたいと思っています。これからも読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。 (2018年9月30日 10時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈都 | 作成日時:2018年8月10日 9時