検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:51,986 hit

3 ページ4

「昨日、部活に出てたらなんとなく気疲れしちゃって……秀明の予習ができずに寝ちゃったから、学校でやろうかなって思っていたの」


うわぁ、えらい。
本当、真面目なんだよね。

彩ちゃんは最近文芸部に入ったみたい。
国語の得意な彩ちゃんらしくていいと思う。


「あ……Aちゃんの前で言えるようなことじゃないよね。バスケ部の方がハードなのに」
「そんなことないよ」


そして、気取らないんだ。


「バスケ部の朝練ってすごく早いよね」

「そうかな。男子の方は結構時間とか厳しく言われてるみたいけど、女子は割とその辺ルーズなんだ」

「そっか。じゃあやっぱり翼も頑張ってるんだね」

「美門くんは本当にすごいよ」


「私なんて、朝ランニングするだけでも精一杯なのに」と、遠慮がちな彩ちゃんを微笑ましく思いながらも、私にはある疑問が浮かんでいた。


「ひとつ聞いてもいい?」
「なに?」

「彩ちゃんって、どうして美門くんだけ名前呼びなの?」


私のストレートな聞き方に動揺するかと思ったけれど、彩ちゃんは「あぁ」と、いたって普通の反応だった。


「翼、クラスのみんなにツバサって呼ばれてるでしょ。本人が嫌な気持ちになると思って、私は心の中でずっと名前で呼んでたんだ。ある時つい本人の前で名前で呼んじゃって、それからかな」


それは心優しい彩ちゃんの性格から生まれたんだね。

……特別な関係でもあるのかと、ちょっと気になってたんだ。
うん、ごめんね。


それから数分、おしゃべりしているとあっという間に学校の最寄り駅について、私たちは電車を降りた。

駅から学校は本当に近くて、歩いて三分もすれば着いてしまう距離。
歩いていくとつかの間に、校門が見えてきた。


「あ、噂をすれば、だね」
「本当だ……美門くん!」


制服に身を包んで、バスケットボールの袋を肩から掛けた美門くんが、反対側から歩いてきたんだ。


「……お、櫻木。おはよう。アーヤも一緒なんだ、珍しいね」
「おはよう。たまたま会ったんだ」


彩ちゃんと会うのは珍しいけど、毎日朝練に来てる美門くんと会うのはよくあることなんだ。


「じゃ、私は部室に行くから。また後でね」
「うん、頑張って。翼も」
「ん、ありがと」


そうして彩ちゃんと別れると、今度は美門くんと並んで歩きだした。

名前で【夢主】→←2


作者のひとりごと(随時更新)

春編書いて今は夏編に突入したところですが、私の高すぎる目標ではこの後も秋編、冬編と続きます。そして短編集を書く!みたいな野望ももっているのですが、いったい全部書き終わるのは何年後になるんでしょうか……。


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (121 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
196人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

椿姫 - 夢主が出てきて物凄く面白いです。夏編、秋編、冬編を楽しみにしております。 (2022年4月4日 13時) (レス) @page20 id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - はじめまして。こんばんは!夏編の続きも秋編、冬編もとても楽しみです!更新これからも気長に待っています。応援しています! (2021年6月10日 19時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - kzの夢小説ってアーヤが主人公の話が多いので、読んでみると凄く面白いです!!更新楽しみにしてます! (2020年9月27日 12時) (レス) id: 72ed035e10 (このIDを非表示/違反報告)
りーいか - 続きがすげぇ楽しみです!これからも頑張ってください! (2020年8月19日 0時) (レス) id: 3ec86cf350 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張って下さい! (2020年6月27日 8時) (レス) id: a71ea1e4cf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:奈都 | 作成日時:2018年12月14日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。