『無気力なあの子は元天才スパイカー』 【ハイキュー!!】

■"EP.08 ページ10

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「ぇ…？おま…何で…え？」










意味がわからなかった







彼女の名前は、壽賀A

バレー界にいたら、その名前を知らない者はいないとされていた




こいつのスパイクは、どこまでも綺麗だった

スパイク時にまるで空中で静止しているかのような姿勢でその美しいフォームが乱れたところは俺は見たことがなかった




バレーだけでなく、勉強もできるやつだったしあと凄いモテてた






中2の時に、女子バレー部はこいつのお陰で全国大会に出場が叶ったと聞いた事があった


3年間同じクラスだった事もあって、よく話す仲でもあったし俺が一方的に想いを寄せてた事もあったがそれ以上の関係ではなかった






けれど、中3の夏に行われた県予選が終わった後からこいつの態度がおかしくなった






元々、明るい奴ではなかったけど俺が話しかけても上の空


何となく俺は避けられてるように感じた





何があったのか詳しく聞くこともできず、俺たちは次第に話さなくなり卒業を迎えた





もう会うことはないと思ってたから予想もしなかった再会で、俺は空いた口が閉じる事ができなかった










「何だよ、影山
知り合いかよ！」









そんな俺の気も知らずに日向がそんなことを言ってくる


いや、知り合いも何も逆にお前こいつのこと知らねぇのかよ





いや、でも、急にバレー界から姿を消したってこともあってこいつの存在を知ってる奴も限られてるのか？







だが、問題は何故こいつがここ(烏野高校)にいるのかという事だ






だってこいつは、県で5本指に入る強豪校から推薦がきてたはずだった



それに、白鳥沢からも推薦がきていたって噂で聞いた







なのにここにいるってことは、まさか全部蹴ったのか？


そう本人に尋ねると肯定の返事をする目の前の人物






思わず、変な声がでた


け、蹴っただと！？








おいおいおいおいおい！！


あの2校に行くのにどんだけ苦労すんのか知ってんのか！？





一般で入るのも難しいと言われている白鳥沢

そして、入れたやつは化け物扱いされてる桜羽




どちらも蹴ったってこいつヤバくないか？










『てか、そんな事どうでもいいや
とりあえず、助けてくれてありがとう』










そんな事を悶々と考えていると、ふと目の前の相手がそう言った





立ち去ろうとするAの手を、俺は思わず掴んでしまった










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