『無気力なあの子は元天才スパイカー』 【ハイキュー!!】

■"EP.09 ページ11

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不思議そうな顔をしているA


な、何してんだよ、俺！！





掴んだ理由なんて特になかった

気付いたら、Aの足を止めていた






俺の目を見つめてくるA


その目は、あの頃と変わらない目をしていた






何でここにいるのか


元気にしていたのか


俺の事嫌ってたわけじゃないのか





聞きたいことが溢れてくる



けど、一番聞きたかったことは＿＿＿＿＿










「ぁ、なぁ、お前
これ落としたぞ」









ふと、日向の声で我に返る


日向の方を見れば、一枚の紙切れをAに渡そうとしていた





それは、部活動勧誘会の日に配られたであろう部活勧誘の紙だった





それを見た瞬間、俺は一番聞きたかった言葉をこいつに言ってしまった










「…また…バレーすんのか？」









それを聞いたAの動きが止まる



烏野高校は、男子バレー部も元々強かったものの女子バレー部も負けずと力を伸ばしていってる




聞いところによると、こないだの大会も惜しいところまでいったらしい。









「え？なに？お前、経験者なの！？」









俺の言葉に、日向が興奮気味にそう言った




暫し沈黙が流れた


だが、それを破ったのはAだった








『…やら…ないよ…
バレーはもうやらない
ボールも触らない
コートにも…もう立たない』









本当は心のどこかで分かってた自分がいるのかもしれない




強豪と言わていた2校を蹴ったと言われた時から


いや、県大会が終わった後ぐらいから俺はどこか勘づいていた





もしかしたらこいつは、バレーが嫌いになったのかもしれないと。





それ以上俺は聞くことが出来ずにそうか…とだけ呟いて目線を落とした








「なに？バレー嫌いになったの？」










ふと、日向が俺たちの気も知らないでそんな事を言った



おい、バカ、やめろ










「俺もさ、しんどい時とかあったけどやっぱりバレーって楽しんだよな！」



『っ……』








日向の言葉に、Aの瞳が揺れた










『っ…早く…部活行きなよ…
私も帰るから』










不意にそう言われ、俺たちは顔を見合せた


そこは、触れないで欲しかったな











「いや…俺たち体育館立ち入り禁止なんだよね」



『はい？』









日向の言葉に目を丸くするA




いや、まぁ、分かるけどな


体育館立ち入り禁止とかあるのかよって思うよな










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