5．嘘はついてもバレるタイプです ページ5
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智「ふぅー。終わった、終わった。お疲れ様、A。」
A「……色々ごめんね。何度もフォローしてもらっちゃった。」
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ぐーん、と伸びをする智は「全然。」と机に並んでいる資料を片付けだした。
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A「あ、その資料こっち」
智「さっきの櫻井さんだっけ、」
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ドキッと胸が鳴る。
鈍い音だった。ドキッと胸が高鳴る─･･･っていうものとは違う、ほんとに鈍い音。
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智「この前の飲み会のお店で会った人？」
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──･･･え、待って、もしかして智、
「知ってたの…？」
智「え？知ってた─･･･っていうか、Aが転んだの見て手貸そうと思ったらあの人がいたの見えてさ。」
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A「あっ、そう、なんだ、」
─･･･びっくりした。私が一目惚れした人だってバレちゃったのかと思った…
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智「……他に、なんかあるの？」
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───･･･「え、」
急な発言に心の声が漏れる。
ああ、私こういうのダメなんだった
昔から「嘘ついてるでしょ」って絶対言われてどんな嘘ついてもバレるタイプだった。
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智「─･･･ん？」
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ほら、智ったら机に手ついて私の顔覗き込んでさ。ちょっとだけ笑ってるし。この顔は何か企んでる顔だった。
あーもー、絶対バレてる
何かあるんだって絶対分かってる
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A「べ、別に……何も無いけど─･･･」
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──･･･
なんだこの沈黙。
バレた？分かった？分かっちゃった？
とりあえず、息を呑もうか。
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作者名：向日葵
| 作成日時：2016年4月11日 20時
