28．数年前の事実を話そう(Satoshiside) ページ28
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でも、Aは俺達の知らない場所に行ってしまった。
当時Aが住んでた家は、親父さんの社宅だったでしょ？
転勤が決まったって。俺達は聞かされた。
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Aが入院している時、俺達はAが混乱しないように会うなって親父さんたちに言われてた。
だから、会いたくても会えなくて、俺達の力ではどうにもならなかった。
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そして、夏休みが明けて学校が始まった時、
Aが転校したというのを耳にした。
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俺達とAはついに離ればなれになった。正直、呆気なすぎて頭が追いつかなくて。
事実を受け入れろって言われてもそんなの無理で。
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だって何年も好きだったんだよ？
それは俺だって翔だって同じ。でも、二人共すぐに会いに行こうとはしなかった。
どうしても、親父さんたちの言葉が引っかかってたんだ。
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A「………。」
智「……俺、知ってるんだよ。高校三年の時、Aと翔が会ったこと」
A「……え、」
智「……俺に隠れて翔がAに会いに行くところをたまたま見かけてさ。ついて行ってみたら何ヶ月ぶりかに見るAの姿があったの。」
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智「だけど、そこに乗り込もうとは思えなかった。……Aが、また翔に恋をしたことに気付いたんだ。」
智「………Aは、記憶を無くす前。ずっと翔を想ってた。気持ちを伝え合っていないだけで、その気持ちをお互い言葉にしていないだけで。想いあっていたんだよ。二人は。」
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29．事実を知った上で、今→←27．嘘を白状する時。(Satoshiside)
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作者名：向日葵
| 作成日時：2016年4月11日 20時
