27．嘘を白状する時。(Satoshiside) ページ27
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あのね、A。
俺ほんとは、Aに沢山嘘をついてたんだ。
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今、Aが持ってる写真。俺ら三人制服姿でしょ？
………それ、俺達の高校時代。
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しかもただの同級生なんかじゃないよ。
──…俺達は、幼馴染みだった。
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毎日バカやって、毎日笑いあって、ほんとにずっと一緒だったんだ。
そんな中で、俺も翔も。
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Aに恋心を抱いてた。
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A「………ちょっと待って、私そんな覚えない、」
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そう。無いの。Aにはその記憶が。
A、高二の時に交通事故に遭ったことは覚えてるでしょ？
前髪に隠れてるけど、おでこに傷跡。残ってるもんね。
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高校二年の夏。Aは事故に遭った。大型トラックとの衝突事故だった。
その時に、頭を強く打ったことで、Aの記憶から
俺と翔のことだけが消えた。
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Aの世界から、俺と翔だけがいなくなったんだ。
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だけど、かろうじて俺達二人以外のことは今まで通り覚えてた。だからAの親父さんたちも
今まで通り、同じ高校に通わせるつもりだった。
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だから俺達も安心してた。
あんなに強い絆で結ばれてた俺達のことなんだから大丈夫だって。
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絶対に、思い出してくれるはずだって。信じてたんだ。
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作者名：向日葵
| 作成日時：2016年4月11日 20時
