稲実マネの日常

日常４３ ページ48

成瀬さんと赤松くん


多田野

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成宮「樹！よそ見してないでさっさと構える！！」


いつもより4倍はめんどくさい鳴さん
その理由はもちろんAさんにあって…

原因となる方を見ればまた「いーつーきー！」と鳴さんからの怒号が飛んでくる



事の発端は今日の練習の始まり
他の学校に比べそこまで投手の層が厚くない稲実に満を持して入ってきた
右の本格派赤松晋二
もちろんの事1年でベンチ入り
こっちの練習に早く慣れるためにAさんが付きっ切りで世話を焼いているのだけど
それに不満を隠しきれない鳴さん


　「うわー、赤松君おっきいねぇ！」


赤松「最近急に伸びて…」


　「成長痛とかなかったの？」


赤松「一時期投げれませんでした」


　「そっかそっか！ここでもしケガとかしたらすぐに言うこと！」


赤松「はい」


　「監督か私か樹かなー、最終手段は頼りにならないけど成宮かな」


赤松「わかりました」


成宮「頼りにならなってなに！？樹よりは頼りになるから！」


えぇ、そこで俺の名前出すんですか鳴さん。


　「それにしても赤松君のドロップカーブすんごい曲がるねぇ」


赤松「俺の唯一の武器です」


　「いやいや、唯一なんて！ストレートも十分にいい！」


赤松「ありがとうございます！成瀬先輩にそう言ってもらえて嬉しいです！」


　「もうA先輩でいいから！というかそうやって呼んで！？」


赤松「はい！A先輩！！」



鳴さん、お顔が怖いです。
そしてAさん早く気づいてください。
俺にはもうこの怪物は手に負えませんよ


成宮「なに1年のくせに名前で呼んでんの？」


多田野「俺も呼んでますけど…」


成宮「樹は500万歩譲っていい！」


全然譲ってない、、


多田野「なら鳴さんも呼べばいいじゃないですか」


成宮「それは無理！」


多田野「なんでですか」


成宮「成瀬に負けた気がするから！」


そう自信満々に答える鳴さんだけど、
正直あんまり意味はわからない。


　「成宮なにしてんの？」


あれから少し時間がたっていたようで声が聞こえた方を見れば
赤松と話し終えたAさんが立っている


成宮「俺とさ赤松君ってさどっちがすごい？」


　「成宮に決まってんじゃん」


成宮「だよね！！知ってる！俺ってすごいもんね！」


　「今現時点ではね。2.3年後は知らない赤松君の方がすごそう」



Aさん上げて落とすのやめてあげてください
この後俺がどうにかしなきゃいけないんですよ…


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