稲実マネの日常

非日常　白龍ver. ページ44

.

「おっ、白龍きたぞ！！」


バスを降りるだけで歓声をあげる高校野球ファン

練習試合のためにはるばると東京へやってきた


　「総ちゃん今日の目標は？」


美馬「その呼び方やめろ」


　「えー、かわいいじゃん」


美馬「かわいくない」


　「はいはい、では総一郎さん今日の目標は？」


美馬「確実に点を取って勝つ」


真面目か。まぁ、そこが総一郎のいいところなのかもしれない。いや、そうだ。






アップも終盤。そろそろアレが始まる



“白龍伝統試合前50ｍタイム測定”



佐々木「成瀬」


　「なんですか監督」


佐々木「お前も入れ」


　「え、嫌です」


佐々木「気合入るだろ」


　「いや気合もう入ってます」


そう言う監督の目はもう手元のストップウォッチに戻っているから入るしかない。

反対を向けば王野がこっちをガン見していた


　「あんたには負ける気しない」


王野「寝言は寝てから言え」



渋々と列に並べば運命は残酷なのかあの総一郎の隣。


「おお、アレ始まるぞ」


「あの美人なマネも走るらしいぜ」


「50ｍ走れんのか？」


おっさんたちの話が丸聞こえだ。


美馬「走って黙らせてやれ」


　「当たり前」


佐々木「いくぞ」








結果は、


佐々木「美馬5.9、成瀬6.7」


　「総一郎今日絶好調？」


美馬「普通だ」


なにが普通だ。ベストと変わりないじゃないか。5.8め


「うぉおお、あのマネはええ」

「いい顔して速い！」



そう私は速い。


　「白龍のマネ50ｍ7秒切れないとなれないんで！！！！！」


そう叫んでおく。


白龍のマネになる条件はかなり厳しい
当たり前のように運動能力が求められ、血液検査から筋肉の測定まで選手と一緒にした

白龍なめんな、とでも言いたい



佐々木「成瀬、代走ででるか」


　「真顔で冗談言うのやめてください」


佐々木「本気だが」


　「え」


佐々木「冗談だ」



見た目とは裏腹に冗談を言う監督も好きだったりする。



　「総一郎今日も頼んだよ、九条と賭けしてるからちゃんと走ってね」


美馬「競馬かよ」


　「いいじゃんがんばれサラブレッド」



落ち着きがすごい白龍高校。敷居が高い…

日常４０→←非日常　薬師ver.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す