稲実マネの日常

日常２７ ページ27

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　「成宮〜！！」とゴンゴンドアを叩けば中から「なに！」と返ってくる


“エースの部屋”と書かれた成宮の部屋に来るのも久しぶり


　「入るよ？」


成宮「勝手にすれば」


たぶん主からの了承を得られたので中に入ってみれば

あの成宮にしてはきれいな部屋


　「あのさ、」


成宮「うん」


　「アメリカのことなんだけど」


成宮「行くんでしょ？」


　「うん」


成宮「成瀬はチームより自分のこと優先だもんね」


　「ちがっ！」


成宮「ならなんで行くの？俺らに黙って」


　「黙ってじゃない！みんなに心配かけるから！」


成宮「その勝手な判断が迷惑って言ってんじゃん」


　「自分だって普段からワガママばっかり言ってるくせに」


成宮「はぁ！？それでも役に立ってるから！成瀬よりは」


　「私が役に立ってないって？」


成宮「いてもいなくても変わらない」


　「ほんっと最低！！」


神谷「お嬢も坊やもそこまで〜、外まで聞こえてんぞ」


白河「いい迷惑」


これ以上ヒートアップすればお互いなにを言うかわからないところで来てくれた2人

神谷「それで、お嬢はちゃんと言えたのか」


　「いや、まだ」


神谷「ならここで言ったら？みんなもたぶん外にいるから」


　「冬休み入ったらすぐにアメリカに行きます。

　 理由は語学力の向上と本場の野球を学ぶため

　 東京選抜にいた4人は知ってると思うけど向こうのチームの人たちから声がかかって

　 2ヶ月間このチームにプラスになる物を持って帰ってこられるように勉強してきます」


成宮「え…2か月間？」


　「え、うん」

成宮「引っ越しとか長期留学じゃなかったの？」


　「誰がそんなこと言ったの？」


そう言うと「はぁー、よかったー」と寝転ぶ成宮


成宮「そうだよねー、成瀬なんてここ以外じゃ面倒見切れないもんねー」


　「あんたの面倒なんて私以外見れないでしょ」


成宮「なっ、」


　「てか、さっきまでの不機嫌は？」


神谷「坊やは不安だったんだよ、お嬢がどっか行くって」


　「へぇー」


成宮の方を見れば「そんなんじゃないし！」とカルロスにギャーギャー言っている



　「私がこの野球部辞めるわけないじゃん


　 まだ日本一の景色見てないし」



成宮「成瀬に日本一の景色見せられるのなんて俺らだけだからね〜」


多田野「Aさん俺もです！」


なんてよくわからないタイミングで入ってくる樹


成宮「ちょっと！いいところだったのに！」


多田野「鳴さんばっかりずるいですよ」


成宮「なにが！」




今日も稲実野球部は平和です？

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